1970年頃にオーストラリア・グレートバリアリーフのヘロン島に「サメ」の水中取材に行ったことがある。その頃より水温が急激に上昇しサンゴの死滅が問題になっていた。

 

サンゴの白化原因は、他にもあり当時は「オニヒトデ」の食害が取り沙汰されていた。「オニヒトデ」は、サンゴの敵だけでなくダイバーにとっても危険な生物としてマークされていた。

 

今から50年前には、サンゴの白化現象に気付いたのは専門家より早く水中写真家やダイバーが専門誌に発表していた。その後、沖縄や奄美群島でもオニヒトデの被害が増え、新聞に取り上げられた。

 

最近では、地元ダイバーが定期的に「オニヒトデ駆除大作戦」を実施しているので、オニヒトデの被害が無くなっていたのだが、異常気象による水温上昇が白化現象の原因となれば対応がない。

 

いまさら気付くのが遅すぎるきらいがするが、元の地球環境には戻れない。人類は、まず最初に環境汚染として海洋汚染を始めた。昭和40年頃にSCUBA DIVINGを日本に普及させた私が気付いた。

 

しかし、国家プロジェクトとしての取り組みは皆無であり、工業立国をめざす政府は”知らぬ存ぜぬ”を決め込んだ結果が、今日の惨状である。

 

今年の1月~3月(オーストラリアは真夏)の水温が最も高く、1960~2024にかけて10年間に平均0.12度ずつ上がって今後も水温上昇が続く。

 

専門家は、世界中でサンゴの7~9割が失われると危機感を訴え、警鐘を鳴らしている。もしかすると、これから生まれる子供たちはサンゴ礁の存在を知らいない事になる恐れが出てきた。