去る5月の連休に地元名瀬の徳洲会病院医師(50歳)が、シーカヤックの練習に出かけると友人に言い残したまま消息を絶った。

 

場所は、奄美の南部に位置する瀬戸内町古仁屋にある大島海峡での事故である。ここの大島海峡では例年、全国のシーカヤック愛好者が一堂に会し全国大会が開かれることで有名なところだ。

 

彼もシーカヤックの愛好者らしく、7月に行われるこの大会に参加する予定で練習を兼ねて現地視察に訪れていたようだ。古仁屋港のすぐ隣にある須手公園には彼の車が残されていた。

 

この位置からは、対岸の加計呂麻島にあるフェリーコースの瀬相港に行くか、押角集落に行くことが可能だ。地理的には最短距離ではあり、大会での競技コースでもある。

 

しかし、海を見くびると遭難の憂き目に遭うことになる。天候の急変や季節による潮流の変化など思いがけない落とし穴が待っている。もし、遭難したとしても内海であり、頻繁に漁師舟や海上タクシーなどが行き来しているので助かるはずなのだが・・・・・

 

ただ運が悪いと、人口の少ない離島だけに漂流して島にたどり着いても人には見つけられずまた、集落まで行くには厳しいところだ。本日15日現在、彼の消息はつかめていない。

 

7日に同僚から行方不明届けが提出され、警察・消防・海上保安庁など60人態勢で捜索したが手がかりがないままだ。事故当時からヘリコプターや漁船が総出で捜索活動を続けたが未だに見つかっていない。

 

現場は比較的穏やかな内海なので行方不明になる事故は起こらない海域である。今日で行方を経ってから約2週間になり、生存率が厳しくなったが、ひょっこり姿を現してくれるといいのだが・・・・・・。