今年の初場所は、大関貴景勝対平幕の琴勝峰が11勝3敗同士の相星決戦となった。

 

結果は、埼玉栄高校の先輩力士貴景勝の豪快なすくい投げで後輩を投げ飛ばし優勝した。結果は大関の逞しい敢闘精神で幕をおろしめでたしめでたしだった。

 

相撲協会も連日の「満員御礼」の垂れ幕が下がりさぞご満悦だったことだろう。しかし、この裏には、小兵力士の技(わざ)とスピードと気迫が、近代相撲として土俵を盛り上げ、観客を呼び寄せた。

 

ご存じのように、これまでの大相撲は白鵬の一人勝ち場所が続き力士にやる気が出ないところに、八百長相撲や無気力相撲がはびこっていた過去がある。

 

ところが白鳳の引退や学生出身力士のサラリーマン化現象が消えた最近場所では、群雄割拠や、下剋上時代となり、もっぱら戦国時代に打って変わって来ている。

 

日本大相撲協会が今日まで大相撲が曲がりなりにも続けられたのは、モンゴル出身力士の力いっぱいの敢闘相撲が、ひ弱な日本人力士に多大な刺激を与えた。

 

中でも特に白鳳関は、孤軍奮闘し大相撲界を背負って耐えてきた。その白鵬関のご努力には、協会は感謝しても感謝しきれまい。親方になった今の彼には、協会側から協会の要職を与えその功労に応えるべきと思う。

 

さて、将来の大相撲は、初場所の相撲内容を見る限り、小兵力士の活躍する近代相撲が、人気力士を生み、無気力な大柄力士には拍手が湧かなくなった。

 

もし、若隆景、豊昇龍、霧馬山、翔猿、錦富士、翠富士ら小兵力士の時代が到来し、御嶽海、正代、遠藤、妙義龍、玉鷲らの大型力士の時代が去っていくとしたならば・・・・?。

 

もし、その事実が発生するならば、多分大相撲人気や注目度は10年の後後までも安泰でいられることだろう。