○末広茸(すえひろたけ)
キシメジ科のキノコで、学名はSchizophyllum commune。中国名は裂褶菌。針葉樹や広葉樹の枯木に生える。笠の表面は粗毛に覆われ、柄はない。世界各地に分布している。薬効成分としては、スエヒロタケの培地から制がん剤のシゾフィランが開発されている。漢方では滋養強壮
の生薬としても使われる。
○大白蟻茸(おおしろありたけ)
キシメジ科のキノコで、学名はTermitomyces eurrhizus。中国名は鶏從、鶏菌など。傘の経4~14cm、中央が尖っている。色は灰褐色。柄は円柱状で5~14cm。シロアリの巣の上に生える。オオシロアリタケの熱水抽出物に含まれる物質に強い抗腫瘍活性があることが見出されている。第57回日本癌学会総会(1998年9月)で、石井達らのグループが「オオシロアリタケ熱水抽出物の抗腫瘍効果」を発表している。漢方では消化を助け、痔
を治す生薬として用いられている。
○楢茸(ならたけ)
キシメジ科のキノコで、学名はArmillaria mellea。中国名は蜜環菌。春から秋にかけて種々の枯れ木に群生する。傘は経が4~15cmで中央部に細かい鱗片があり、周辺に放射状の線がある。表面は淡黄褐色。柄の高さ4~15cmで根元がやや膨らんでいる。世界各地に分布。植林した木の根を浸して枯らせる「ナラタケ病」の原因ともある。漢方では眼病や視力回復
、皮膚の乾燥
、粘膜の分泌不良の生薬として用いられている。