○キャベツ
春に出回る新キャベツは春玉キャベツで、緑色が浅く葉肉が薄い。水分が多く葉が柔らかいので、千切りにして生で食べるのに適している。一方、秋から春先にかけて出回る寒玉キャベツは肉厚で甘みも強いので煮込み料理に適している。このほか、最近は丸玉キャベツという品種に人気がある。一般にはグリーンボールとして知られているが、やや小型で丸く緑色が濃い。キャベツの仲間としてはほかに、紫キャベツ、芽キャベツも良く料理に使われる。また、キャベツの原型とされるケールは青汁の原料になる。
※グリーンボール
キャベツの球形には扁平、腰高、丸、円錐、楕円などがあり、日本の品種は大部分が腰高であったが、近年、球形の丸いものが品質がよいとして評価をされ始め、グリーンボールとして市場に登場するようになった。そのため、キャベツの一品種である丸玉の総称のように思われているが、正確には種苗メーカーのサカタの銘柄名である。ちなみにマルシュ(タキイ)、スピードボール(渡辺)、グリーンキッド(石井)、こまる(野崎)など(カッコ名は社名)各種苗会社から十数種発売されており、グリーンボールが総括名として常用されている。
グリーンボールはあまり大きくならないが、しっかりと固く巻いており、高冷涼地で春捲き秋採り、一般平地で夏捲き秋冬採りされる。栄養成分的には普通品種と同じ栄養素を含むが、ビタミンA(カロチン)が100g中110ugと、普通種に比べて約2倍含んでいる。
※紫キャベツ
レッドキャベツとも呼ばれる。幼苗期から下部全体が紫色で、結球しても中心部まで紫色をしている。従来種は葉肉部が白く肉質が硬いので、最近は同色で軟らかいトレビス種に押されぎみであるが栄養成分的には優位を占める。色素が溶出しやすいので過熱する時は注意を要する。通常のキャベツに含まれる栄養素の全てを含むが、特にビタミンCが多く、100g中68mgに達する。カリウムやリン、亜鉛は通常キャベツの1.5倍、銅は約2倍も含んでいる。食物繊維に至ってはカリフラワー並みで、単なる色どりだけでなく、サラダとして大いに摂りたい食材である。
※芽キャベツ
芽キャベツはキャベツの栽培変種で、キャベツが株ごと球状になるのに対し、伸びた茎に数個のキャベツの玉が発芽してピンポン球に結球したものである。ビタミンCが1600mg(100g中)とブロッコリー以上の多さで、ホウレン草の4.7倍もある。茹でても損失が少ないのでビタミンAとの相乗効果が期待できる。
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