ボリビアの4,000m級高地を縦断し、チリ、アルゼンチン北部を国境伝いに移動してきた。ペルーから南米を東回りに進むと感動と絶景の連続で、乾いた高地、荒涼とした砂漠、赤茶けた山々。チリに入る頃には誰もがその風景に魅了されている。
パラグアイ川を渡ると首都アスンシオン
さらにアルゼンチン北部を伝ってパラグアイを目指すと、景色は徐々に褪せていく。岩山は消え、砂漠は途切れ、いつしか平原ばかりになる。あれほど心を揺さぶっていた風景は、どこへ消えたのか。
北の果てクロリンダからパラグアイへ入るともう心を揺さぶるような美景はなく、そこにあるのは休息の地だ。
疲れた身体と心を癒す安全な空間と食事、何より物価の安さは財布も癒してくれる。
安息の地
欧米のバックパッカーたちは言う。
「パラグアイ?特に何もない」
ここへ来るまでに、ウユニ塩湖を渡り、ボリビアの4,000m級高地を越え、チリとの国境地帯を抜けてきた。前にも後ろにも地平線しかない。行き交う人もいない。あるのは自分たちと命綱の4WDだけ。
そんな場所を何日かけて走り抜けてきた事か
あの地には本当に何もなかった。
パラグアイに何もないと言うのなら、あの荒野には一体何があったというのか
なんと大事なものを、我々は見落としてきたのか。
人の気配すらない国境地帯を抜けてきた身には、「何もない」という言葉がひどく空虚に響く。あの荒野を前にすれば、人が「何かある」と呼ぶものの、なんと薄っぺらいことか。おそらく彼らの言う「何もない」とは、消費する対象が少ない、ということに過ぎない。
何も無い
観光という名の儀式を滞りなく執り行うための舞台装置が、この国には足りない。ただそれだけのことだ。
何でも揃うメルカド4
何も無いボリビア高地にお金を落とし
何でも揃うパラグアイを素通りする
ロマ・サン・ヘロニモ地区
それでもパラグアイは、ただ手をこまねいているわけではない。
アスンシオンの歴史地区に隣接するロマ・サン・ヘロニモ地区では、カラフルな壁画と街並みで新たな息吹を吹き込もうとしている。
パラグアイ北部にはまだ人の踏み込んでいない土地が眠っているはずだ。
そういう場所を嗅ぎつけて分け入っていくのも欧米人ヒッピーたちの得意とするところだ。
アサディート
何よりパラグアイには
アサディート(肉の串焼き)とテレレがある
テレレ
放浪老人記 GG 2026/5/7




