私の知り合いの「ふーちゃん」のお話である。

20代も半ばに差しかかって、これまでのようにキャバクラ嬢では生計が立たなくなりつつあると悟ったふーちゃんが、フツーのアルバイトをしようと思って考えたのは、なんと本当に普通のデスクワークだった。

「体力がないから力仕事は無理だし、人目に触れたり、見ず知らずの人と会話するのが苦手だから販売や営業もだめ」とは本人の弁だが、それでよく水商売ができたものである。

皆さんは最近のアルバイト情報誌をご覧になったことがあるだろうか。デスクワークの応募の条件には必ずと言っていいほど「Excel・Wordのできる方」と書いてある。どの程度のスキルが要求されるのかはわからないが、パソコンを触ったことがない人にとってこの条件が大きな障壁になることは間違いない。

問い合わせようにも、どう聞いたらよいかの見当もつかないだろう。最近は高校や短大でパソコンの授業があると聞く。

内容ははっきりいってそれほど高度ではないし、授業を受けている方もこんなの絶対に役に立たないと感じている。しかし、カナ漢字変換ができる程度であっても、経験があるのとないのとでは本人の気持ちに大きな違いが出てくる。基礎教育というのはおそらくそういうものなのだろうとつくづく感じる。

パソコンに触ったこともないふーちゃんの依頼で私は、週に1、2回のペースでパソコンの個人授業をすることになった。しかし私は、パソコンのパの字も知らない人に教えた経験がない。ふーちゃんは生徒第1号として、貴重なサンプルになってくれるはずだった。

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