現状の滝

 

以前

 

台風後の状況

 

名勝 那智大滝内の「文覚の滝」に関する見解
和歌山県教育庁生涯学習局文化遺産課
世界遺産班 主査 仲原知之
<文覚の滝について>
・那智参詣曼荼羅にも描かれている那智大滝の滝壺下流に位置する小滝。
・名勝「那智大滝」内で、世界遺産登録範囲に位置する。
・自然公園法の特別地域内に位置する。
・平成23年度の台風による土砂災害で消滅。
・復旧工事の際に宗教上の必要性から文覚の滝を再現。
(ただし、元通りの復元ではなく、滝の機能を果たすことを目的とした再現。)
<文化遺産課の見解>
・災害復旧工事については、所有者(熊野那智大社)・関係機関との協議を経て施工された。
・当時の考え方として、人工的な史跡や名勝については原状復旧するが、滝などの自然的
名勝で、自然に形状が変化したものは極力人工的に復元を施さないことを前提に復旧工事
を実施した。したがって、那智大滝の滝壺をはじめとした河川部分についても災害前の状
態には復旧していない。
・文覚の滝については、熊野那智大社における宗教上の必要性から滝が必要ということで、
滝の機能を回復するための復元であって、災害前の状態に戻すことを目的とはしていない。
・世界遺産としても、那智大滝周辺において自然災害によって崩れた箇所を元通りに復元
しなくても、ただちに世界遺産の顕著で普遍的な価値に負の影響を与えるものではないと
考えられる。
令和2年4月2日

 

那智の滝 文覚の滝 vol.2 復旧工事について。

 

大滝を信仰の実践や歴史を評価する文化的景観と考える世界遺産の文脈と、
自然科学的な価値から評価する自然的景観の一部として考える国の国立公園法の文脈の
食い違いが、その景観にとって何が価値で、何を守るべきかをめぐって浮き彫りになっている。

 

 

その中間をとったということになるのだろうか?

直さなかったほうが、雰囲気はまだあった。