8月18日新潟NGT48劇場にて新公演が行われた。
開演前に早川支配人からの挨拶で「これで活動再開とは考えていません」という様な言葉もありました。
皆さんに認めてもらえるまでは活動再開とは言えないというニュアンス。
まあ意気込みとしては分かりますが、劇場公演再開は活動再開と捉えるのが正しいと思います。
五月の握手会を最後に実質的に活動自粛状態だったNGT48。
今月に入り東京アイドルフェティバル出演を皮切りにメンバーのSNS再開、約3カ月ぶりの握手会を経て劇場公演の再開、と段階的に活動を再開した形。
何故NGT48がこの様な状況になったのか?私なりに整理すると次のような経緯があります。
[昨年12月にメンバーである山口真帆が自宅前で複数の男から暴行を受けるという事件が発生した。
報告を受けNGT48スタッフも現場へ駆けつけたが、グループのイメージダウンを懸念して事件は公にしないという判断を下す。
その後運営(AKS)は被害者である山口への配慮が足りず運営と山口の間で確執が生まれる。
同時に山口が事件への他メンバーの関与を疑った(根拠はおそらく犯人証言)ため山口と他メンバーとの間にも確執が生まれる。
年が明けてついに山口が事件の事をSNSで告発、一気に社会的注目を集める。
この期に及んでAKSは事件の詳細を公表せずうやむやにしようとした事が様々な憶測を呼び、陰謀論やスキャンダラスな噂がネットに溢れた。
それらの疑惑についてまともな検証も行われないまま、それらはやがてイメージとして定着していった。
そうした噂を鵜呑みにした一部の人々によるスポンサーへのクレームによりNGT48はテレビラジオのレギュラー番組を失いCD発売も見送られ劇場公演も自粛、活動休止状態に追いやられた。
最後まで山口と和解する事なく山口とそれを支持するメンバー(長谷川玲奈、菅原りこ)達は卒業、さらに研究生からも活動辞退者が現れた。
世間の関心は薄れNGT48に対する漠然とした悪い印象だけが残った。]
細かい部分はだいぶ端折りましたが、これで現在NGT48が置かれている状況は理解していただけるでしょう。
こうした状況の中8月18日新公演が行われました。
新公演の演目は『夢を死なせるわけにいかない』。
新公演と聞いて、既存の曲を組み合わせて作る最近48Gでよくやられているタイプの演目になるのかなぁと想像していたのですがAKB48ひまわり組の『夢を死なせるわけにいかない』でした。
公演を再開してくれるだけでも有り難いという感じで演目の予想など特にしてなかったのですが、『夢を死なせるわけにいかない』は良い選択だったのではないかと思います。
既存曲の組み合わせの公演も悪くはないのですが、やはり最初から公演としてパッケージで考えられているものの方が公演としてのまとまりというかひとつの物語的な流れを感じられて私は好きです。
そして当然タイトルには今のメンバーたちの心境が込められている訳で(本来の歌詞の意味とは違うかもしれませんが)心を打たれました。
配信で公演を観た後ツイッターで感想などを眺めていたら「歌が下手だ」とか「踊りがバラバラ」などというネガティブな意見も見かけましたが、私は大いに満足でした。
まあ確かに歌が上手いか?と言われればアレな部分もあるし、踊りもバラバラとまでは思いませんが完璧か?と言われればそうとは言い切れず。
よくアイドルにはそこは求めてないから、と言うような言葉を聞くし、私もそれに近い考えなのですがそれだと言葉足らずなので補足すると、「歌やダンスに完璧は求めないけれど、それに向かって努力している様や姿勢が見えなければならない」と私は考えます。
同じ下手だとしても向上心をもって努力している過程の下手と手を抜いている諦めている下手では全然違うという事。
今回の公演が下手だったという事ではありませんよ、あくまで例え話です。
公演を観ていて活動を休止している間に努力していた跡が見えたし、何より観ていて楽しかった。
早く劇場で生で観たい!そう思える公演でした。
最後に公演を振り返るMCで西潟茉莉奈ちゃんが「事実でない事が広まってしまって」とはじめてメンバーの口から疑惑に対する否定があり※、その涙を見るにつけこれからも応援していこうという気持ちが強くなりました。
※文章という形での否定はありましたが直接メンバーが話すというのは初めてだと思います。
この発言は勇気がいったと思います。事件に触れればまたネットで叩かれると分かりきっている中で精一杯の 一言だったのではないかな。
茉莉奈ちゃんは疑惑の標的にされていただけに余計にね。
NGT48がようやく活動再開。しかし取り巻く状況は全く良い方向へは向かっていないというのが現実でしょう。
運営は事件が風化するのを期待しているように見えますが、風化はイコール疑惑の定着だと私は考えます。
このまま事実ではないことが定着してしまうことが恐ろしい。
もはや半分そうなってしまっているので今から覆すのは難しいでしょう。
それでも違うものは違うと訴え続けなければならないのですよ、運営さん。
ここまで悪いイメージが定着してしまったグループ、私は不本意でも解散した方が良いのでは?と考えていたこともあります。
メンバーはグループを去るという選択肢もあったはずです(実際に去ったメンバーもいる)。
それでもここに残るという選択をした彼女たちに私はとことん付き合おうと思います。
応援と言っても出来ることは少ないけれど。
彼女たちの"夢を死なせるわけにいかない"から。