コスモス国際賞2022 フェリシア・キーシング
国際花と緑の博覧会記念協会は「 #コスモス国際賞 」の今年の受賞者に、フェリシア・キーシング米バード大教授を選んだと発表しました。生物多様性と人獣共通感染症の拡大との関係を明らかにしたことなどが評価されました。#毎日新聞 https://t.co/of0bXUsRwc
— 毎日新聞科学環境部 (@mainichikagaku) July 21, 2022
フェリシア・キーシング 米バード大教授
「生物多様性の高い生態系は様々な病原体の温床となりうるが、感染しない生物種が多数存在することで、総体としては感染症のリスクを下げうる効果が存在することを示し、生物多様性が人間の社会にとって価値あるものであることを明らかにしたと評価された。」
「種の多様性が高いと、生態系全体の中では病原体の存在密度が低く保たれて人間への感染リスクが下がることなどを示し、人間社会にとって生物多様性に価値があることを明らかにした」
2022 年(第 29 回)コスモス国際賞の受賞者は フェリシア・キーシング 博士 自然生態系の生物多様性と、人獣共通感染症病原体が人間社会へ伝播す るリスクとの関係性を、実践的な調査研究によって明らかにし、ポストコ ロナ時代における自然と人間の共生のあり方に科学的な示唆を与えた。
公益財団法人国際花と緑の博覧会記念協会(会長:御手洗冨士夫)は、7 月 20 日開 催の理事会で、コスモス国際賞委員会(委員長:尾池和夫)、同選考専門委員会(委員 長:白山義久)からの報告を受け、バード大学教授のフェリシア・キーシング 博士(56 歳)を 2022 年(第 29 回)コスモス国際賞の受賞者に決定した。
フェリシア・キーシング博士は生物多様性と人獣共通感染症病原体の伝播リスクとの関係を、実践的な調査研究により解明した。生物多様性の高い生態系はさまざまな病原体の温床となりうるが、 総体としては感染症のリスクを下げうる希釈効果が存在することを示し、生物多様性が人間の社会 にとって価値あるものであることを、明らかにした。
この研究業績は、生命体の相互関係を探り、ポストコロナ時代における「自然と人間との共生」 の在り方に示唆を与えるものである。 なお、授賞式は、本年秋に大阪で開催する予定。
受賞者の概要
- 氏名 フェリシア・キーシング Felicia Keesing
- 生年月日 1966 年 1 月 24 日生まれ(56 歳) アメリカ・サンタクルーズ生まれ
- 国籍 アメリカ 現職 バード大学 教授(生物学)
- 学歴 1987 年 スタンフォード大学 学士
- 1997 年 カリフォルニア大学バークレー校 博士 (統合生物学)
職歴
- 1997-2000 年 シエナ大学 助教(生物学)
- 2000-2003 年 バード大学 助教(生物学)
- 2003-2012 年 バード大学 准教授(生物学)
- 2012- 現在 現職
主な著書
Richard S. Ostfeld, Felicia Keesing, and Valerie T. Eviner eds. 2008, Effects of Ecosystems on Disease & of Disease on Ecosystems, Princeton Univ Pr
コスモス国際賞とは?
コスモス国際賞(コスモス こくさいしょう)とは、1990年に大阪で開催された「国際花と緑の博覧会」を記念し、その理念である「自然と人間との共生」の継承、発展を目的に、公益財団法人国際花と緑の博覧会記念協会が平成5年(1993)創設した国際賞。
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