台湾人から日本人へのプレゼント 今編 | 難波鉄也の台北便り
日系企業で働いてる台湾人OLのFさんのお話。Fさんの会社は日本人総経理(=支店長)が一人、台湾人社員7、8人の日本の会社の台湾支社。

Fさん『総経理のHさんが二年前に赴任してきた時は、前任者より若くて、明るい人がきたと喜んだんだ。だけど、すぐに仕事ができない調子のいい人だとわかってがっかりしたの。Hさんは台湾赴任以来、あまり真面目に仕事してなかったけど、本社から人が来る時になってあたふた必死になったのを見て、台湾人社員のHさんの評価はがた落ちして、みんなHさんを軽くみるようになった。もちろんHさんは総経理だから、私たち、社内では表面上はちゃんと敬ってたけどね。

Hさんは単身赴任で奥さんがたまに台湾にくると、私たちと一緒に食事会をやりたがった。奥さんに、台湾人スタッフに好かれてる自分を見せたかったみたいだけど、私たちはこの食事会が面倒くさくて嫌々合わせてた。奥さんも、100均で買って来たようなモノを毎回、私たちにお土産として渡すから、私は、お土産はたいへんでしょうから買ってこなくっていいですよと笑顔で実は本気で言ってたけどやっぱり通じなかったな~(笑)男性社員のGさんなんて、こんなお土産は家の幼稚園児の子どもでも喜ばないなんて台湾語で言ってた。一度、Hさんから、奥さんが台北の日本人が通う幼稚園を見学したいから、明日は仕事はいいから奥さんに付添って通訳をしてやってくれと頼まれたことがあって、ものすごく不愉快だったな~。

やっぱり頭がよくない人が総経理だと社員はやる気が出ないし疲れるから、Hさんの帰国が決った時は、台湾人スタッフは皆、本人に気付かれないように喜んだ。それはよかったんだけど、送別会のことで私たちの間でもめ事が起こったの。台湾人スタッフはこれまでは、お金を出し合って、帰国する日本人にプレゼントを渡すのが習慣だったんだけど、それをどうするかで意見が分かれたんだ。男性スタッフは皆反対。Qさんが、Hさんの他の問題は我慢できるけど、台湾人スタッフの給料を上げるよう本社に掛け合うと約束したのに、結局なにもしないで帰るのは我慢できない。ダメだったらダメで説明してくれれば納得するけど、何も説明しなかったではないか。Hさんは我々には調子よく話してたけど、本社に絶対何も言ってない。そんなHさんに、我々は礼を尽くす必要はないと主張したの。

一旦は贈らないと決りかけたけど、結局は一人500元づつ出して置物を買ってプレゼントすることになった。送別会には奥さんとお子さんも参加することになったので、何も渡さないのは可哀そうだと私が言って、みんなも合わせてくれたの。Hさんは喜んでくれて泣きながら、台湾愛してる~とか言ってたな。』

来週と再来週はブログ、お休みします。