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遡る事3月某実。

その日もタイガーパファーの稽古場は穏やかな空気が流れていた。

 

 

今回のタイガーパファーの作品はたにがわさきの一人芝居。

 

一人芝居といえば、ともすれば稽古場はギスギスしがちだが、今回の劇中曲はすべて闇色鍵盤によるピアノの生演奏なので、稽古中も心地よい旋律が常に流れており、稽古場に居る者すべての心を和ませていたのだが・・・

 

稽古も佳境にさしかかった頃、その旋律を遮る様に、ノックと呼ぶにはあまりにも暴力的な音が稽古場内に響き渡った。

 

 

近くにいた闇色鍵盤が開けようとするよりも早く開く扉。

 

そこから現れたのは・・・・!

 

 

『邪魔するで~』

『そっちから挨拶ないから来さしてもらいましたわ~』

 

なんと!今回の公演のカップリング団体『ユニットまいあがれ』米山真理中嶋久美子

 

そう!この日、タイガーパファーとユニットまいあがれは同じ施設の稽古場を使用していたのだ!

 

『あ、米山さん、中嶋さ・・・』

『こういうのは普通、後輩から挨拶しに来るもんとちゃうんかいなあ?』

 

 

突然の出来事に狼狽するたにがわ。

不敵な表情でにじり寄る中嶋。

 

『あ、ご、ご挨拶が遅れました、た、たにがわさきと申し・・・』

『ごあいさつが遅れ過ぎじゃ~!』

 

 

堀辺正史最後の弟子と噂される中嶋のほぞち打ちが、たにがわの脳天にクリーンヒット!

 

『あうっ!』

 

声にならない悲鳴を上げるたにがわ。

 

間髪入れずに米山が、

 

 

『こんなおもちゃで遊んでる暇があったら・・・』

 

優に2トンはあるキーボードを軽々と持ち上げると・・・

 

『まずはパイセンに挨拶が先じゃろがい~~~っっっ!!!』

 

 

たにがわの頭に振り下ろす!

 

おそらくキーボード自身も出せるとは思っていなかったであろう鈍く重いEマイナーが、たにがわのうめき声と共に響き渡る!

 

『なあよねやん、これはこの子のためにも教育してあげんといかんやろなあ』

『おうよ。みっちり身体に教えてやらんとなあ』

 

 

その後、まいあがれの二人の『教育』が始まった。それは偶然その場にいた時津風親方ですら『あれはやりすぎだ・・・』と後述するほど凄惨なものであった。

 

そして七時間後・・・

 

 

『あ~、疲れた疲れた。礼儀のなってない後輩がいると苦労するわあ』

『おいドサンピン!これに懲りて本番ではおとなしゅうワイらの引き立て役になっとくんやで!』

 

そう言い残すと高笑いと共に立ち去る二人。

 

ボロ雑巾の様になったたにがわのダメージは深刻であったが、偶然その場を通りかかった超能力サラリーマン・タカツカヒカルのハンドヒーリングで回復、事なきを得た。

 

しかし!

 

だからと言って我々はユニットまいあがれの蛮行を許す訳にはいかない!

 

我々タイガーパファーはクリーンな戦いを望んでいたが、そっちがその気ならやるしかない!

 

次回、タイガーパファーが復讐します!

 

30×30 pair.66『タイガーパファー×ユニットまいあがれ』

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