スクンビットへ行った。


マユという女がいた。

ホームページの写真を見た時分には、
これはなかなか私の好みに合う女ではないかと思っていた。
ところが、実際に会ってみると、写真というものは随分と勝手なものである。

写真の中にいた女と、目の前にいる女とは、
似ているようで、どうも同じ女とは思われなかった。

もっとも、別段不細工というわけではない。
年を取り過ぎているわけでもなければ、肥っているわけでもない。
愛想が悪いということもない。むしろ感じのよい女である。

ただ、若いのか若くないのか、可愛いのか可愛くないのか、
その辺りになると、どうも判然としない。

人間というものは不思議なもので、欠点が一つもないからといって、必ずしも好ましく思えるとは限らない。
逆に、どこがどうという理由もないのに、
妙に気の合う人間もいる。

マッサージも、それなりに真面目にしてくれた。
おそらく、こういう店ではなく、本当にマッサージだけをさせてみれば、この女は案外上手なのかもしれない。
しかし、ここはそういう場所ではないから、
こちらもそこまで期待しているわけではない。

いわば、店が要求する程度のマッサージを、
女もまた心得た程度に施してくれた、というところである。
その後のことについては、特に感想を述べるほどのこともない。

ただ、店の都合で着けさせられたものが随分と分厚く、
そのために何をされても
こちらにはほとんど感覚が伝わってこなかった。

こうなると、こちらとしても長居をする理由がない。
私は余計なことを考えるのをやめて、さっさと済ませて帰ることにした。
帰り道になってから、
少しばかり無駄な金を使ったような気がした。

しかし、だからといって、
マユという女が悪い女だったということではない。
愛想もいいし、決して感じの悪い人間ではない。
ただ、どうも私のフィーリングとは
合わなかったのである。

この系列の店でいえば、最近ではユミコがそうだった。
あのネタ用専門のモモもそうだった。
少し前なら、イングオンのリサもそうである。

こういう女たちには、初めて顔を合わせた時から、
何か妙な波長のようなものがあった。
こちらが説明しようとしても説明出来ない。
向こうが何か特別なことをした
わけでもない。

ただ、会っているうちに、何となく
「ああ、この人とは合うな」と思わせるものがあった。

マユには、それがなかった。

ただ、それだけである。