2024年現在、
英国が誇る老舗ブランドのジョンクーパーが創出する「ドブクロス」生地は日本国内中探しても当店のみになりました。
もう残すところ5着限り。
有名老舗テーラー、百貨店で探しても見つからないはずですので、」最もラグジュアリーな1着「ジョンクーパー」「ドブクロス」で仕立てることをお勧めします。
「ジョンクーパー」「ドブクロス」。
英国が誇る老舗ブランドのジョンクーパーが創出するドブクロス生地。
その風合いは大変柔らかく、類まれなる気品を持ち合わせています。
「ドブクロス」とは服地を織る織機のことですが、本来は、産業革命当時の英国織物産業の中心地であった村の名前。
そのドブクロス(DOBCROSS)村で発明された織機なので DOBCROSS LOOM(ドブクロス織機)と呼ばれるようになりました。
そして、その織機で織られた生地が『ドブクロス(DOBCROSS)生地』なのです。
「ドブクロス」この織機は1800年代後半~1960年あたりまで生産されてきましたが、大戦後の技術革新により、より高速な織機に取って代わられて行きました。
現在の「レピア式織機」や「エアジェット式織機」は緯糸(ヨコ糸)を高速に通すのが特徴で、特にエアジェット式では一分間に約600回通すことが可能となりました。
この高速で緯糸を通す作業は、織機の稼動仕様そのものを変えました。高速で機械を動かすため、特に経糸(タテ糸)をコントロールする綜絖(そうこう)という個所の稼動域がより小さくなり、従来上下に開いていた綜絖が、上にしか開かなくなったのです。
その結果緯糸のテンション(張り)が強くかかり、緯糸をはさむ経糸も上から押さえつけるようになったため、ウールが持つ柔らかで自然な風合いが殺されていったのです。
これに対しドブクロス織機は従来通り木製のシャットルで緯糸を通し、そのスピードは一分間に約100回。
一日に約40メートルしか織る事が出来ません。が、しかし、この熟練職人が木製シャトルを使いゆとりを持って丁寧に織り込んだドブクロス生地が持つ本来の優しい風合いは、生産性のみを追求した現在の織機では到底真似る事は出来ません。
そして、当「テーラー渡辺」ではJohn Cooper(ジョンクーパー)の、完全オリジナルのドブクロス生地で仕立てる、オーダースーツをお客様のお手元にお届けいたします。
当店のありがたい、常連様で「今回はクオリティーの高い生地なので渡辺さんに時間をかけてゆっくりと仕立ててもらいたいので“エクセレント縫製”でお願いします。
と言うことで私自らフルハンドで“エクセレント縫製”にてお仕立てをすることにいたしました。
エクセレント縫製とは?
ハンドメイド縫製のほぼ70%を職人の手で執り行う縫製です。
ハンドメイドのよさを全て取り入れてあり、とても丁寧に行うので大変な時間のもとでじっくりとお仕立てしており、非常に好評です。
エクセレント縫製のくわしい事はこちらまで
「エクセレント縫製」の一部を紹介
ハンドメイドのボタンホールは、頻繁に掛けはずしに丈夫に対応し、この立体感はハンドでなければでません。
ボタンホールは洋服の人間で言えば「目」にあたり、手かがりをする事により上着が随分と感じ方が変わります。
ご覧の通り味も変わり、雰囲気もハンドメイドらしくなります。
昔、洋服のうまく縫う職人か不器用な職人なのか、わかる判断方法はその職人に「ボタンホールをかがらせろ」。といわれておりました。
手先の器用な人でなければ何年たっても綺麗なボタンホールはかがれません。
約40年以上前になるでしょうか、私の洋服の修行時代は、仕事が終わった深夜、寝る間を惜しんで一生懸命にボタンホールの練習をいたしました。
現在どれほどのボタンホールを綺麗にかがれる佳い職人がいるでしょうか。
イタリアの職人だってイギリスの職人だって全部がいい訳じゃなく、うまい人もいれば見られない下手な職人もいるものですよ。
マシンメイドでは絶対にでない、ボタンホールの糸の纏り(まつり)が細かくてボタンホールが立体的に盛り上るのが特徴です。
これは永い間経験しなければできない職人の技(わざ)なのです。
マシンメイドの場合はポケットの端をミシンで上から叩いて進み掛けるためペタッとした平面状態にになります。
ハンドメイドの場合は端をすくい上げるように一針、一針ゆっくりと縫っていくので、胸ポケットが盛り上がりとても立体的な胸ポケットになります。
「ハンドメイドは洋服の全体的に見た目が穏やかに丸く、とがらずに柔らかで立体的なシルエットにすることが重要な要素となるのです。
AMFステッチの糸はポリエステル糸でステッチをマシンでかけます。
マシンでかけるには糸を引っ張って進んでかけるのでちょっときつくかけざるを得ません。
当然糸は余裕が無いために、出来上がったときは綺麗でも、クリーニングを頻繁にかけるとアイロンの熱のため糸がポリエステルの特異性として当然のように縮み上がり突っ張ります。
夏の上着の場合、よく端が波のようにびりびりにつってしまうのがその理由(訳)なのです。
その点フルハンドメイドの星ぬきの糸は見てのとおり、
シルク100%のため生地とのなじみが良くフルハンドメイドの運針の力により、
ゆるく丁寧に糸を置いていくようにすくい上げるため、頻繁なクリーニングにおいても問題なくピリつかず、いつも上着の端が綺麗に整っているのがその為なのです。
長い年月がたっても、いつまでも着続けていても型崩れもぜんぜんしないでいつも綺麗なエッジになります。
今回は釦ホールをかがる「穴糸(あないと)」の太めの糸でかがりました。
そうすることにより、ステッチが立体的になり、より「ハンドメイド」らしくなります。
武骨だけれどクラシカルで、良い味のフルハンドメイドらしい、オーダースーツになります。
ハンドメイドの大事な要素で欠かせないことは、巧みなアイロンワークによる生地のクセ取りです。
この時間をかけた経験を持った職人のハンドのクセ取りにより平らな生地も、人間の体に沿って内側へ丸く立体的になるのです。
どんなにマシン縫いが発展しようとも人間による運針の力の強さの塩梅(あんばい)にはかないません。
ハンドによる糸にかける力の甘さはマシンには到底出来ないものなのです。
この運針による力の甘さが服を着続けることで、より人間の身体にゆっくりと徐々になじんでくるのです。
他の誰にも着られない自分だけの大事な服。
「いいね」「素敵ですね」と誰からもほめられる佳い服。
大量生産では到底作れない味わいのある品格のある服。
最高に着心地のいい服はこうして出来上がってくるのです。時間をかけてじっくりと仕立てる。
これこそが究極の贅沢な着心地感につながるのです。
これまでの説明を読んできて、すべてのことが「それがなんなの、どってことないでしょ」と言ったら、なんにもなりません。
極論(きょくろん)ですがこだわりって、見方によっては「何もそんなに考えなくても」。と滑稽に見られがち。
しかし一着にかけるスーツは「ハンドメイド」により、その品物に対してその人の思いが伝わります。
どの業界でも職人達は、
“コロナ禍の最中、どんなに素晴らしい“技のある職人”がおられても、会社の経営上続けて行かれなくなり、
泣く泣く人員整理されて”一気に匠の技術を持った者がいなくなった”と巷ではよく聞きます。
今まで仕立てることが可能だった多数の事が、残念なことに“職人不足”のためにできなくなったのが現状。
これから未来のある人達へ伝えていきたかった“素晴らしい技術や文化”は一度失ってしまうと途絶えてしまい“元へは戻れない”のです。
私自身「テーラー業界の中で生き残った数少ない洋服職人の一人」として
長年、培った仕立て技術で、できるだけ喜んでいただける“より良いオーダースーツ”をこれからもご提供できるよう、
力の限り“縫い続けていきたい”ですね。
お客様へ
渾身の一着
仕立て上がりました。
あと残すところ5着のみとなりました。
スペシャルプライスの詳しい事はhttp://www.tailorwatanabe.com/special-price.html
グーグルマップで店内が見られます。
https://goo.gl/maps/X1vb5Xmwcgn
2016年フリーペーパー「rojiroji」に当店が掲載されました。No.1詳しい事はこちらまでhttps://rojiroji-blog.tumblr.com/post/144935146801/tailor-watanabe-order
2016年フリーペーパー「rojiroji」に当店が掲載されました。No.2詳しい事はこちらまでhttps://rojiroji-blog.tumblr.com/post/147790642911/tailor-watanabe-fitting
テーラー渡辺ホームページ(渡辺弘行)
http://www.tailorwatanabe.com/index.html