12年前の初秋。
天気が良くてポカポカとしていた。
その日、私は遅番だった。
16時からの出勤。
そして、元彼が赴任する日だった。
あの頃、春と秋に人事異動があった。
私が出勤すると、
窓に向った机に見慣れない背中があった。
あ~。今日新しい人来るんだっけ・・・・。
窓からの暖かい陽を受けて、ぽかぽかした背中。
背中しか見てないのに、
なぜかぽかぽかした気持ちになった。
やさしい雰囲気だった。
それから、2~3週間後に同年代の仲間たちの飲み会があった。
6~7人はいたと思う。
誰が企画したのかわからないけど、
あの頃はしょっちゅう仲間たちとワイワイ遊んでいた。
その中にいつの間にか元彼も参加するようになった。
少しずつ他愛もないことを話すようになった。
でも、仲間の中の一人でしかなかった。
楽しかった。
いつものように街からタクシーに乗り合わせて帰宅。
友人と元彼と私。
同じ方向だった。近所と言えば近所だった。
5分も歩けばお互いの家に行けるくらいの距離だった。
いつものように中間地点にある友人宅の前で解散。
友人とはそこで別れ、私と元彼は少し歩きだす。
2分くらい歩いたところで元彼とさよならする地点。
「じゃあねぇ。おやすみ。」
そう言って、手を振り歩き出す。
「よってかない?」
と、元彼。
すでに歩き出していて私は、驚いて立ち止まる。
「なんで?」
「なんとなく・・・・」
「・・・・・・・」
少し考える。
「今日は、遅いからまた今度ね。」
驚いた。
その時まで、ただの友達としか意識していなかった。
このときから、私の中で元彼に対する気持ちが違ってきていた。