今回のレビューは、1/72スケール ZOIDSより、

“AZー05 セイバータイガー” です。

 

 アニメ第1作、“ゾイドーZOIDSー” の主人公、バンのライバルとして登場したガイロス帝国の少年兵、レイヴンが最初に搭乗したゾイド、

“EZー016 セイバータイガー” が、

ゾイド40周年を記念するAZ(ANNIVERSARY ZOIDS)シリーズで発売されました。

 

 AZシリーズとしては初の帝国(敵)方、そして非ライオン型ゾイドの登場です。

 とはいえ、動力ユニット含む基本構造はこれまでに発売されたライオン型と共通で、さらに言うと前回のシールドライガー同様、8年前に発売されたMP(マスターピース)版の事実上の再販です。

 MP版に搭載されていた咆吼ギミックがオミットされているのも相変わらずで、ならば劣化再販ではないか? と見る向きもあったかもしれません(実際、僕はそう思ってた・・)が、そこは40周年記念アイテム。

 MP版が、あくまで通常仕様のセイバータイガーを再現したものだったのに対し、今回のAZ版はアニメに登場したレイヴン搭乗機を再現したものになっています。

 やはり前回の、バン搭乗機を再現したAZ シールドライガーと同様ですね。

 通常仕様と異なる一部外装のカラーリングを成型色の変更と塗装で再現。

 また、パイロットであるレイヴンとその相棒のオーガノイド、シャドーのフィギュア等、新規造形パーツもわずかですが追加されており、MP版との差別化が図られています。

 それでは、レビューしていきます。

 キットはパチ組みしたのみです。

 

 シリーズ共通仕様のパッケージ。

 表面の全身画像はシールドライガーと対になる構図でした。

 説明書の中面、カラーページには機体解説、ギミック紹介のほか、オリジナル版、MP版、そして今回のAZ版それぞれの開発に関する話が掲載されていました。

 

EZー016 タイガー型 セイバータイガー レイヴン仕様

 中央大陸戦争時にゼネバス帝国が開発した高速戦闘用中型ゾイド、サーベルタイガーのガイロス帝国仕様。

 帝国宰相、プロイツェン直属の独立強襲戦闘兵 レイヴンに与えられた専用機は、一部の外装がネイビーブルーに塗装されているほか、彼の戦闘スタイルを考慮してか、標準装備である射撃武装の多くが取り外されています。

 レイヴン自身の操縦技術に加え、オーガノイド シャドーとの合体で通常仕様を大きく上回る戦闘力を見せましたが、マウントオッサ火口付近の戦闘でバンのシールドライガーのEシールドに強引に突っ込み大破。

 その後、レイヴンは乗機をジェノザウラーに変えています。

 ちなみに、第2期において第1期と同じサーベルタイガーの名称が使えなかったのは、バンダイがなにかの戦隊シリーズ関連でサーベルタイガーを商標登録してしまったからだそうな・・なにしてくれたんだよ。

 

素体状態

 今回も最終装甲を纏う前の素体・・基本フレーム状態から組み上げていくかたち。

 四肢のパーツの多くと牙、爪はこれまでのライオン型AZキットと共通です。

 ギアボックスも基本的には同じものですが、ライガーゼロのように首(造形は異なります)が追加されています。

 頭部から尻尾まで、胴体部分のフレームパーツは専用のものになっており、とくに尻尾がライオン型と較べてかなり短いこともあり、それらの素体とはけっこう印象が変わっています。

 成型色がレッド、ブラウン系メインになったことも大きいですね。

 尻尾が短いので、素体状態の後ろ姿はやや貧相似見えます・・

 ライオン型の3種はオリジナルよりもかなり尻尾が長くなっていたので、タイガーも少し長くしてもよかったんじゃないかな。

 そもそもサーベルタイガー型じゃなくてタイガー(第1期版はトラ)型なんだけど、トラって普通に尻尾長いですよね?

 

 頭部アップで。

 ちゃんと目があるのはライオン型と同じアレンジですね。

 後ろ側に伸びるタテガミがないぶん、後部がバスッと切られたような造形で、ライオン型より小顔になっています。

 牙・・キラーサーベルはオリジナル同様シールドライガーと共通(本来の順序ならばタイガー⇒ライガーなんですが)。シルバーで塗装されています。

 この素体状態の段階で頭部にコクピットハッチが備わっているのは、重装甲の帝国ゾイドらしい解釈。

 もちろん開閉可能で、一旦上に引き出したあと、前に倒すかたちになります。

 ただ、画像の角度が限界で、ガバッと開く感じにはできません。

 

 胴体フレームパーツは、先の通りすべて専用パーツになっており、シールドライガーからの流用はありません。 

 ただここ、便宜上フレームパーツと言いましたが、赤いパーツは実際のところ外装なんですよね。

 わりとフレーム剥き出しの共和国ゾイドに対し、帝国ゾイドはほぼすべて装甲で覆われていて、両軍のその対極のデザインが初期から中期のゾイドの特徴だったわけで、ならばこのAZ(MP)版でも帝国ゾイドはフレームと外装とを完全に分けてほしかったかな・・という思いもあります。

 まぁ、電動ギミックや全体のバランスも考えると、こうするしかなかったんでしょうが。

 胴体底面中央にはスタンド用のジョイント。その後ろは電池ボックスになっています。

 電動歩行には単4電池を2本使用。スイッチはお尻・・尻尾付け根の下にあります。

 

 今回のAZ版では、MP版にはなかった首と胸部フレームを繋ぐパーツが新規造形で追加されています。

 前回のシールドライガーと同様、MP版にはあった咆吼ギミックのオミットにより、そのままでは電動歩行時に動かない胸部フレームを連動させるための措置ですね。

 実際、このパーツを付けないと胸部フレーム(3連装衝撃砲の基部)は動きません。

 

 尻尾のフレームは外装を取り付けるための接続穴や肉抜きが丸見えでちょっと雑な印象。

 なにかしらディティールがあればなぁ・・ライオン型みたいに曲げたりもできないし。

 なお、おそらくMP版では軟質製だった根元のジョイントパーツはABSで新規造形されています。

 

 四肢は前後ともに根元が専用パーツになっていますが、足先含めほとんどライガーからの流用。

 一部がシルバーで塗装されている点も変わらず。

 しかし今さらですが、肘と膝は本来の関節の中心とはズレた位置に可動軸(キャップ)があるのはやや違和感がありますね。

 これはどうにかできなかったのかな?

 本当に今さらなんですが・・

 

 爪・・ストライクレーザークローは前後左右で基本同じ形状、構造。

 

 外側のみ開くことが可能です。

 

武装状態

 外装、武装を取り付けて、セイバータイガー レイヴン仕様の完成です。

 レイヴン搭乗機ということで通常仕様機とは一部外装のカラーが異なるほか、搭載される射撃武装も固定含めわずか3種に限定されています。
 共和国ゾイドとは明らかに違う曲線主体のデザイン。
 初期の共和国ゾイドが、大型機ですらほぼフレーム剥き出しのやや重機っぽいイメージだったのに対し、全身を装甲で覆った帝国ゾイドはより生物的なシルエットで、とくに中型以上の機体にはちゃんと目があったりとただの戦闘機械ではない、まさに機械獣なんだという印象を、第1期当時、幼いながらに感じたものでした。
 とくにこのセイバータイガー・・第1期のときはサーベルタイガーだったわけですが、マンモス以来の名称がモチーフそのままというところは、ある意味傑作ができたという当時の開発陣の自信の表れだったのかな? とか今になった思ったり。

 そんな初期の傑作・・というか、1期2期を通じてもっとも売れたゾイドらしいので、もはやゾイドの代名詞の一つと言ってもいいのでしょうが、そんな機体をリデザインしたこのAZ(MP)版はしかし、ファンの間では賛否あるようですね。

 

 プロポーションについては、当然流用基であるAZ シールドライガーと基本的にほぼ同じはずなのですが、タテガミがないぶん小顔になった(見える)ことと、装甲パーツのボリュームが増したことで四肢が太くなったこと、尻尾が短いこと等あって、相対的に胴長短足に見えます。

 でもそれは、むしろリアルなトラのプロポーションに近いように思えて、個人的にはわりと好きです。

 バックショットも、お尻と後肢の丸みを帯びた装甲のおかげでセクシー(笑)。

 

 頭部アップで。

 鼻先がオリジナルよりもやや縮められ、各部のディティールも追加されたことで精悍さが増した印象です。

 もちろんハッチは開閉。

 ハッチ側にも目に当たるウインドウパーツが取り付けられています。

 コクピット内部には着座姿勢のレイヴンフィギュアが搭乗可能。

 また、耳がボールジョイントで可動します。

 これはなかなか面白いギミック。

 

 ハッチおよび鼻周りの外装パーツを交換することで威嚇顔(グラウルフェイス)の再現が可能。

 これまた独自の解釈で面白いギミックですね。

 眉間がつり上がって、歯茎も剥き出しで、まさしく威嚇の表です。

 ゾイドの表情が変わるとか、そんな発想はなかったなぁ。

 でも確かに生命体ですから、こういうこともあるでしょう。

 タテガミや内蔵武装の展開可動といった手動ギミックが多めのシールドライガーと違って、セイバータイガーはそういった要素があまりないので、この表情変化ギミックが考えられたのかなぁ?

 

 背中の外装、縁部分のカラーリングは成型色で再現されます。

 お尻の外装も成型色ですが、尻尾の外装のみランナー配置の関係で塗装でのカラー再現となっています。

 どうしても若干色味の違いはありますが、それほど気にならないと思います。

 

 前肢付け根の前部、後肢付け根の後部それぞれの外装のカラーも、成型色で再現されます。

 これら、今回のAZ版でミッドナイトブルー成型されたパーツは、MP版ではクリアレッド成型だったようですね。

 なんでクリアだったのか・・? まぁいいか。

 四肢の外装はもちろんオリジナルの重厚なイメージを再現しているものの、オリジナルよりも細かく動く連動ギミックのために細分化されたフレームに合わせて装甲パーツも細かく分割されたため、隙間が目立つようになってしまった感はあります。

 AZ(MP)版への否定的な意見は、この四肢外装のブツ切れ感にとくに多いような気がしますね。

 確かに、後肢のほうはまだいいんですが、前肢の肘(?)側の外装は完全に浮いてますし、その上の小さい装甲も、そこはちゃんとシリンダーを守らないとダメだろ! むしろライガーはガードしてるぞ、と。

 まぁ、肘装甲についてはライガーの時点で少し気にはなっていたんですが、タイガーだとより悪目立ちしてしまった感じですね。

 前肢のこの構造は、ネコ科らしい摺り足歩行再現のためのものでしょうし、そこはオリジナルよりもリアルな歩行動作の再現という、MPのコンセプトの一つの達成には欠かせない要素だったのだと思いますが・・

 結局はなにを優先するかとところで、難しい問題ですね。

 

武装類

対ゾイド3連衝撃砲

 胸部に固定装備される3連装の衝撃砲。

 シールドライガーと共通の装備ですね。

 順序としてはあっちがパクったんですが。

 

対ゾイド30mm2連装ビーム砲 & 地対地ミサイルポッド

 レイヴン仕様では固定装備以外にこの2種の射撃武装のみを装備。

 ビーム砲はオリジナルではシールドライガーが尻尾に装備するものと同じものですが、AZ版ではそれぞれけっこう違うデザインになっています。

 こちらのほうがオリジナルに近いですね。

 一方でミサイルポッドのほうはかなりアレンジされていて、もはやポッド感はなく、ただミサイルが3発並んでいるだけっぽい・・

 ただビーム砲の造形で気になるのはこの左側の動力パイプが途切れていること。

 通常仕様として組む場合、ここに複合センサーユニットを取り付ける関係でこのようなことになっているのですが、だとしてもこの処理は上手くないですよね。

 ましてや、今回はレイヴン仕様ということでセンサーユニットを付けないのがデフォルトなのだから、ちゃんとパイプを造形したビーム砲を新たに付けるか、せめて途切れている部分のパイプを補完できるパーツを付けるくらいしてほしかったです。

 基部で仰角変更、ビーム砲、ミサイルポッドそれぞれ接続部で旋回が可能です。

 

レイヴン

 パイロットであるレイヴンのフィギュアが付属。

 物語前半の少年時代を再現したものですね。

 青年時代を再現したフィギュアは・・AZ ジェノザウラーの発売まで待つしか・・

 

シャドー

 レイブンの相棒、オーガノイド シャドーのフィギュアも付属。

 前回のシールドライガーに付属したジークと同じ、前7パーツの組み立てキットとして付属。

 背中のウイングは収納状態で再現されていますが、ここは展開状態のパーツも付けてつけ替えできるようにしてほしかったかなぁ。

 

 各パーツの接続部で可動するので、ある程度のアクションは可能。

 なお、ご覧のようにレヴィンフィギュア含め成型色はガンメタリックですが、前回のシールドライガー付属のジークと違ってやドーのメインカラーに近いので、塗装せずともそこそこイメージ通りです。

 

 フィギュアのサイズ感はこの通り。

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 やっぱり立ち姿のレイヴンも欲しい・・

 

 タイガーとシャドーのサイズ感はこの通り。

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 でかいトラだなぁ・・

 

その他付属品

ラベル

 今回は貼っていませんが、ガイロス帝国軍のマークやレイヴンのパーソナルマークなど、各種マーキングを再現できるラベルが付属。

 スタンドのネームプレート用にはレイヴン仕様と通常仕様、2種のラベルが付属します。

 

ディスプレイスタンド & キャップレンチ

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 シリーズ共通のディスプレイスタンドと、組み立てに使用するキャップレンチ。

 ネームプレートにはレイヴン仕様のラベルを貼りました。

 レンチはスタンド裏面に収納できます。

 3つのサイズがあるキャップ(2つはネジですが)の詳細は・・もういいですよね。

 

武装パーツ

 通常仕様では標準装備となる、中型以上の帝国ゾイドの多くで使用されている各種武装はそのまま付属。

 もちろん、通常仕様と同じようにすべて本体に装着することが可能。

 あらためて見るとけっこう重装備なんですよね。

 

AEZ20㎜ビームガン

 標準仕様では背中の装甲の左右側面に装備されるビーム砲。

 デザインはオリジナルからけっこうアレンジされてますね。

 

複合センサーユニット

 腰部の2連装ビーム砲の左側面に装備されるセンサーユニット。

 これはほとんどアレンジされてませんね。ただ、オリジナルよりはちょっと寸詰まりになった印象。

 で、これを付けることで先ほど触れたビーム砲の動力パイプ問題が解決・・してるかなこれは?

 

TEZ20㎜リニアレーザーガン

 尻尾の左右に装備されるレーザー砲。

 これもオリジナルからけっこうアレンジされてます。

 ビーム砲、レーザー砲の類いは、細い砲身の先端もちゃんと開口されてるのが嬉しいですね。

 

小口径対ゾイドレーザー機銃 & 赤外線レーザーサーチャー

 胸部底面、3連衝撃砲の下部に装備される2種の武装。

 これらはオリジナルのイメージと大きく変わりませんね。

 ただ、オリジナルと違って武装の接続区が前後にズレています。

 

 なお、一連の武装はすべて3㎜軸接続なので、オリジナル同様、装着位置はおおよそ自由に変更可能です。

 

余剰パーツ

 ライガーからの流用ランナー由来の肢外装パーツの一部、MP版の胸部固定パーツが余剰で付属。

 今回はとくに使い途がないですね・・

 

電動アクション

 まず、素体状態をスタンドに固定してスイッチを入れてみます。

 首と尻尾を上下に振りながら口を開閉するだけでなく、全身を躍動させながら四肢で歩行・・まぁ、浮いた状態なので宙で藻掻いているような格好ですが。

 基本動作はもちろんこれまでのライオン型と変わりません。

 ただ、頭部や胴体に関しては専用パーツに置き換わっているので、細部の動作の感触はけっこう変わってますね。

 首と、下半身のフレーム(外装)の上下動がかなり目立つ感じになっています。

 一方で上半身のフレーム(外装)はほとんど動かないですね。

 あと、胸部フレーム(3連衝撃砲の基部)が新規パーツ追加により連動するようになっているのは先にも触れている通り。

 

 外装、武装を取り付けた完成形を、同じくスタンドに固定したままスイッチオン。

 新たに背中の外装が上下に動くようになっているのと、腰部の2連装ビーム砲も、下半身フレームの動きに応じて上下に動きますね。

 そして、やはりけっこう目立つ肘装甲の浮き具合・・ここ、気になる人は本当気になってしまうのはわかります。

 また、動画では途中、わかりやすいように照明を落としていますが、電動動作中、本体内部のゾイドコアと目は常に発光しています。

 コアは赤く、目は緑(クリアパーツがグリーンなので)に光ります。

 

 では、実際に歩かせてみます。

 例によってちょっと危うい足取りですが、転けることなくブース内を踏破してくれました。

 前肢の爪が開いているのは、ただ閉じ忘れただけでとくに意味はありません。

 今後のAZ(ADVANCED ZOIDS)シリーズで新型の4足歩行タイプのギアボックスが開発されたりするなら、もうちょっと安定感のある歩行動作ができるように・・て、それはギアボックスじゃくて四肢の構造の問題か。

 逆に、ギアボックスは流用でまた異なる動作の再現もできたりするんでしょうかね?

 

比較画像

 

 オリジナルの第2期版セイバータイガーと。

 AZ版も標準武装をすべて取り付けた状態にしています。

 スケールは変わっていないはずなのに1.5倍ほどのサイズになっていますが、まぁ気にしないで(笑)。

 プロポーションや顔付きも随分変わりました。

 オリジナルが子猫に見えます。

 

 コトブキヤのHMM版と。

 HMM版は、公式限定のCAカラーVer.を今回のレイヴン仕様に近いカラーで組んでみたもの。武装も同様に減らしてます。

 HMM版は四肢がかなり細いですね。並べてみるとAZ版がかなり力強く感じます。

 個人的にプロポーションだけなら、AZ版が1番好きかなぁ。

 

 AZ シールドライガーと、まず素体状態で。

 基本構造は同じですが主に頭部から尻尾にかけての胴体部のパーツ変更、そして成型色の変更とで大きく印象が変わっています。

 頭部フレームは全然別物ですね。

 後発のワイルドシリーズだとライオンも虎も、ヒョウも、全部まったく同じフレームでしたけどね。

 口の開閉具合も、案外ライオン型のほうが大人しい・・

 

 外装、武装を取り付けた完成形で。

 素体状態以上にガラリと見ためが変わった両機。

 四肢がほとんどのパーツを共用していることも、パッと見あまりわかりません。

 タイガーの四肢祓いガーのそれよりも太く逞しい印象。

 キャノピータイプのコクピット・・頭部のインパクトが強いため、どこか戦闘機的な雰囲気も残るシールドライガーに対し、モチーフほぼそのままのデザインで生物的な印象が強いセイバータイガー、カラーリングも含め、やはり対照的な両機です。

 同じネコ科の猛獣モチーフの高速戦闘用ゾイドとして、わかりやすいライバル関係を示した、ゾイドでは意外と珍しいパターンかもしれません。

 アニメでもライバルとして登場したわけですが、タイガーのほうはのちに新参のジェノザウラーにその座を奪われ、以降、主人公機はライオン型、ライバル機は肉食恐竜型という定型が第3期のワイルドシリーズまで続くことになってしまったのは良し悪しだったかなぁ・・

 にもかかわらず、1番売れたのがサーベルタイガー含むセイバータイガーというのはすごいですね。

 まぁ、バリエーションも多かったけど、売れ線だからこそバリエーションがだせるわけでもあるし。

 

 フィギュア比較。まずレイヴンのバン。

 ともに少年時代を再現したものですが、サイズ感はほぼ一緒ですね。

 髪形のせいでレイヴンが少し頭でっかちに見えますが・・

 

 シャドーとジークで。

 シャドーは目の上に突起があって、背中にも翼があるのですが、基本的によく似ているのがわかります。

 ほかのオーガノイド、スペキュラーやアンビエントはもっと異質な感じでしたが。

 

 AZ シールドライガー レビュー | 退屈と惰性と改弐 (ameblo.jp)

 

 レイブンフィギア、オリジナルとの比較。
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 右側はジェノブレイカーに付属したものなので、たぶん青年期を再現したものだと思うのですが、ほかに比較対象が見つからなかったので。

 AZ版のほうが頭身バランスが上がっています。

 

 シャドーフィギュア比較。

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 同じく、ジェノブレイカーに付属した、塗装済みのシャドーフィギュアと。

 オリジナルブレードライガーに付属したジークがプラ製塗装なしだったのに対し、こちらはPVC製で全塗装、さらにパーツの付け換えで翼の収納展開も再現可能という力の入れようでした。

 AZ版でも・・

 

以下、画像

 例によって手動ではほとんど動かせませんが、四肢パーツの連動軸を外すことで多少のアクション(?)は可能。

 ネコ科らしい伸びポーズも。

 スタンドを使えば獲物に飛びかかるようなシーン再現も可能です。

 シールドライガーを始めとしたライオン型には、なにかしらの武装展開ギミックあるのに、このセイバータイガー二はそういったものがほとんどないので、その点はやはり少し寂しいですね。

 

 威嚇するタイガー。

 ブサ可愛い(笑)。

 

 VS バンのシールドライガー!

 パイロットとしての技量は、少なくとも少年期ではレイヴンがバンを圧倒していた印象。

 オーガノイドの性能(?)も、たぶんジークよりもシャドーのほうが上でしたし、戦闘ではセイバータイガー優位の場面が多かったはず。

 第1期のバトルストーリー上では、たぶん後発のライガーの砲が総合力では勝っていた感じでしたが・・

 じゃれ合っているようにしか見えない・・(笑)

 アニメではシールドライガーがブレードライガーに進化したわけですが、セイバタイガーはそのまま廃棄され、レイヴンは新たに与えられたジェノザウラーに乗り変えてしまいます。

 ただ、アニメにはレイヴン意外にもタイガー乗りはけっこう出てきましたし、なかでもシュバルツの乗るカスタム機はむしろレイヴン機よりも人気があるんじゃないかなぁ。

 RMZでも、まさかの通常機を差し置いて発売されるようですし。そのうちAZ版でも出しそう・・

 

 以上、“AZ セイバータイガー” でした。

 

 共和国(主人公)サイドのライオン型ばかりが続いたところに、ようやく来た帝国(敵)サイドの非ライオン型AZ。

 まぁ、ほぼMPの再販なんですが、アニメに搭乗したレイヴン仕様ということで大目に見てください、という感じ(?)

 ただ、先のAZ シールドライガーほど造形的変更点はなく、新規造形パーツも少ないのでその点では少し物足りないところはあります。

 腰の2連装ビーム砲のパイプ欠損部分がそのままだったりとか、正直ライガーほどのこだわりは見られなかったのは残念です。

 セイバータイガーのリメイクキットとして見ると、オリジナルと較べて大きく変わったプロポーションは尻尾の長さを除き、わりとリアルなトラに近いものになっているように思えて、個人的にはアリだと思います。

 ただ、前肢でとくに目立つ外装のブツ切れ感は、確かに気にはなります。

 でも、ライオン型よりも大きめ、厚めの外装パーツで重装甲イメージはしっかり再現されていますし・・目を瞑れないほどではないかな。

 武装展開等で遊べないぶん耳が動かせたり、表情を変えられたりと、案外これまでのゾイドでは見られなかった動物メカらしいギミックが盛り込まれているのは面白いと思いました。

 トータルで見ると、やっぱりいいですよ。完全否定されるような酷いものではないと思います。

 シールドライガーもいいけど、やっぱりセイバータイガーもいいね。

 個人的AZランキングがまた変動したかな。

 いずれグレートサーベルとか、それこそシュバルツ機とかも出すんでしょうかね・・?

 モルガ用のオプションパーツの展開は考えられているらしいので、AZ仕様のアサルトユニットやガトリング砲、ライガー用のビームキャノン、アタックブースターなんかも出してくれないかなぁ。

 

 さて、前回のシールドライガーのレビューで希望していた、アニメ第1作の全話配信もアマプラ等で始まりましたし、ラスボス機、AZ デスザウラーの発売もあと3ヶ月というところまで迫ってきました。

 来年から始動するRMZシリーズも続々ラインナップが公開されていますし、AZシリーズも、モルガの参戦で一気に可能性が広がりましたし、ワイルドシリーズ打ち切り(言い方・・)のときの寂しさはもはや過去のこと。

 今は期待と希望しかないですね。

 

 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。