今回のレビューは、1/100スケール マスターグレードモデル より、
“MG ガンダムF90 Nタイプ” です。
ガンダムF90のすべてを紐解く “A to Z PROJECT” に、ニュータイプ仕様のミッションパック、
“N(ネクスト)タイプ” が登場。
ロールアウトカラーのガンダムF90 2号機とのセットで発売されました。
2019年にスタートしたA to Z PROJECTもいよいよ大詰め。
これまでに全26種のミッションパックのうち22種が発売され、残すところあと4種というところまでやってきました。
そんなラスト4種のなかから、まず登場するのがネクスト・・次世代仕様、またはニュータイプ仕様とされるNタイプ。
サイコミュを搭載し、単独で戦闘機としても運用できるミッションパックで、さらに別のミッションパックの同時装備も可能という拡張性をも備えた特殊装備です。
A to Z PROJECT のタイアップ企画として連載が開始されたコミック作品、“機動戦士ガンダムF90FF” でその活躍が描かれているようです。
今回は、その劇中で素体となっているロールアウトカラーのF90 2号機本体との同梱スタイル。
というか、2号機のバリエーションどんだけ出すんだよ・・(笑)
では、レビューしていきます。
キットはパチ組みに最低限の墨入れ、付属のシールに、水転写式デカールは一部のみ貼っています。
これまでに発売されたミッションパック関連のレビューについては、以下のリンクから順次遡っていってください。
MG ガンダムF90Aタイプ & Lタイプ レビュー | 退屈と惰性と 改 (amebaownd.com)
まず、パッケージはいつものプレバン仕様の2色刷りでした。
F90Ⅱ Iタイプや火星独立ジオン軍仕様の2号機のときはカラーだったので、今回も期待してたんですけどね。
説明書は表紙裏表紙だけがカラー。
機体解説等はなし。
Nパックについての解説は欲しかったですね・・
F90 ガンダムF90 2号機
さて、こちらに移ってからは初めてになるF90関連・・というか、ガンプラのレビュー自体初めてということもあるので、おさらいの意味も込めてF90本体に関しても少し紹介しておきましょう。
F90 2号機については、シドが搭乗した紫色の実戦配備カラー。
オールズモビルに鹵獲され、回収された火星独立ジオン軍仕様。
それを取り返して再度修復したF90Ⅱ(Iパックとセット)と、すでに3バリエーションが発売されていますが、今回は一番最初の姿となるロールアウトカラー版。
基本的に1号機の色違いで、胴体部以外で⒈号機では青かったパーツが赤くなっているだけです。
キットは、2019年に発売された1号機のカラバリににごく一部新規造形パーツが使用されています。
では、特徴的な部分をピックアップして見ていきます。
まず頭部。
ストレートなV字アンテナにツインアイ。スリットの入ったマスク。こめかみにはバルカン砲と、実にガンダムらしいお顔立ち。
新世代のスタンダードですからね。
胸部コクピットハッチは開閉可能。
内部は全展周囲モニターとなっているコクピット外殻を無色のクリアパーツで再現したり、着座姿勢のパイロットフィギュアも搭乗していたりするんですが・・組んでしまうとほぼ見えませんね。
可動についてはとくに腰部が特徴的で、
フンドシ部分が前方向に展開することで全体としてみたときに自然な前屈ができるようになっています。
ただ、専用のスタンドアタッチメントを取り付ける際にもこのフンドシ部分を一旦開かないといけないのはやや面倒。
そして付けたままその存在を忘れがち・・(笑)
F90のコンセプトである、用途に応じて装備を付け換える・・ミッションパックシステムのためのはードポイントは全身11箇所。
両肩と両の前腕。腰部フ左右のロントアーマー、同じくサイドアーマー。
そして両脛、バックパック。
それぞれカバーパーツを外すことで露出する3㎜穴やダボ穴に各種装備を取り付け可能です。
腰部リアアーマーのウエポンラッチを併用する場合もあります。
さて今回、1号機および2号機実戦配備カラーから造形面で一点のみ、変更があります。
それがこの、バックパック左右のビームサーベルラック。
通常のものより外側に飛び出しています。
ただこれは、2号機ロールアウトカラー独自の構造ということではなく、今回セットになった(というかむしろそっちが本体)Nパックを装着するための変更。いわば立体化上の都合です。
Nパック装備のためだけにバックパックを改修したとも思えないし、そもそもサーベルラックの展開構造があったとも思えない。
少なくとも今回は従来の状態からの選択式・・ですらなく、説明書ではこちらの状態一択です。
もちろん従来のパーツもそのまま付属していますが、簡単に差し換えることはできません。
ここは、従来のバックパックのままNパックを装着できるようにパックのほうの形状、デザインを調整してほしかったかなぁ。
なお従来のもの同様、ラックは若干上下にスイングできます。
武装類
ビームライフル
F90の標準装備、射撃の部。
ハンドパーツの人差し指以下を専用のものと交換して保持します。
一応ダボで固定できる仕様ですが、あまりかっちり感はないですね。
サブグリップが可動。後端のエネルギーパックは取り外せます。
パックは予備含め4個付属。本体のハードポイントや、後述のシールドの裏面にマウントしておけます。
ライフル自体はリアアーマーのウエポンラッチにマウント可能。
障礙向きは固定ですが、左右に引っ繰り返すことはできます。
ビームサーベル
F90の標準装備、格闘の部。
先の通り、バックパックに2本をマウントします。
ライフル同様、人差し指以下を汎用の持ち手パーツに差し換えて保持。
サーベル刃はクリアブルー成型のMG汎用パーツです。
シールド
F90の標準装備、防御の部。
耐ビームコーティング施された標準的なシールドです。
表面の “90” はデカール。
裏面のラッチで前腕にマウント。さらに可動式のグリップを保持できます。
先の通り、裏面にはライフル用のエネルギーパックをマウント可能。
シールド自体もバックパックなどにマウントできます。
ダボ接続ですがジョイントは回転可能です。
F90N ガンダムF90 N(NEXT:ネクスト)タイプ
次期主力機の研究開発のために建造されたミッションパック、Nパックを装備することでニュータイプ用MSとして運用可能となったF90。
Nパックは有人戦闘機、ハルファイターとして単独運用も可能。
のちにF91に採用されたMAC構造の装甲材にバイオセンサー、サイコフレームも組み込まれ、新型OS、TYPE“C.A-Ⅲ”を搭載した規格外の戦闘機になっています。
F90への装着(合体)後は、F90本体、ハルファイターどちらのコクピットからも操縦できますが、NT専用機としての本来の性能を発揮するためにはハルファイター側が操縦権限を持つ必要があります。
さらに大きな特徴として、Nパックを装着したうえでさらにほかのミッションパック(すべてではない)も装着可能という高い汎用性も備えた、まさに次世代仕様ですね。
ということでまずはいつもの展開図・・
というか、Nパックの装着に使われるのは本体バックパックのハードポイント一箇所のみです。
ほかのハードポイントについてはほぼフリー状態。
状況に応じてほかのミッションパック、一部装備だけでもいろいろと装着することができます。
ハルファイター
Nパック単独で構成される戦闘機。
馴染みのあるトリコロールカラーに全容に対して小振りなウイングなど、なんともガンダム本体から分離した戦闘機らしいというか(笑)。
まぁ、今回は本体に合体する戦闘機ですけど。
スラスターは後部に1基あるのみですね。
あまり加速性はなさそうな・・
機首にライフルを懸架するスタイルもわりと伝統的。
ちょっとGバード感もありますね。
このライフルについては後述します。
コクピットハッチは開閉。
内部ディティールはパイロットを含めた一体成型で再現されています。
底部に3㎜穴があるので、スタンドを使った飛行状態のディスプレイも可能です。
では、F902号機本体に装着していきます。
ハルファイターの変形は、まず機首を後方に展開。
ウイングはそれぞれたたみ、基部ごと90度回転。
前部パーツを引き出して、内側から腹部装甲を展開します。
コクピットブロックを起こし、カバーで覆って完了です。
変形したハルファイターを、F90の本体上半身に被せるような格好ですね。
頭部は一旦外すほうが無難です(実際、説明所では外すよう指示されています)。
ジョイントはバックパックでの一点のみですが、とくにプラプラするような感じはありませんね。
装着完了。
腕や下半身はそのままですが、胸部から複部にかけてまるっと装甲が追加されたのでややマッシブになった感。
後ろ姿に至ってはほぼ隠れてしまうのでかなり印象が変わります。
尻尾のように伸びるハルファイターの機首パーツや、左右のウイングのせいでパッと見可変機のようでもありますが、少なくともこの形態から変形はできません。
ちょっとF91っぽい印象もある追加外装。
カラーリングが本体胴体の濃いブルーではなく水色になので、それもまた雰囲気の違いになっていますね。
また、両の鎖骨部分にはマシンキャノンが追加されます。
バックパック左右のウイングはもちろん展開可能。
また、基部はボールジョイント接続担っており、少し引き出すことで前後に捻るような動きも可能になります。
ちなみに押し込んだ状態だとダボで固定されるので、その状態で無理に力を入れないようにしてください。
柔らかいKPSなので、わりと簡単に抉れたり変形したりしちゃいますからね。
尻尾(じゃない)も上下にスイングできます。
武装類
ビームライフル
専用に開発された大型のライフル。
ハルファイターに懸架されている状態からサイトスコープ(センサー?)と、グリップをそれぞれ展開するのですが、
グリップが非常に展開しにくいです。とくに引っかかるような部分がないんですね。
ピンセットなどをなんとかグリップの肉抜き部分に挿し込んで引っ張り出す・・でもしないと無理。パーツを傷付けないよう注意してください。
さて、ライフル本体は標準装備のそれよりも多少性能が上がっているだけのように思えますが、その真価は砲身を取り巻くように6基マウントされている遠隔攻撃端末、ヒルトファンネル。
従来のファンネルの小型化に加えビームサーベルとしての運用も可能で、Iフィールドなどの防御に対しても有効打になりえます。
当初はフィンファンネルのようなバリア展開機能も想定されていたそうですが、Kタイプのメガビームシールドで事足りるということで攻撃特化の装備となったとのこと。
もちろんすべて分離可能で、ファンネル単体状態は後部にパーツを足すことで再現。
サーベル刃は専用造形ですが、付属するのは2本だけ。
また残念なことに、攻撃シーンをイメージしたディスプレイができるようなスタンド用アタッチメントなどは付属していません。
う~ん、詰めが甘い・・
パーツの差し換えで柄が展開した手持ちサーベル状態も再現可能です。
シールド
ハルファイターの機首パーツは取り外してシールドとして装備可能。
ジョイントを引き出して前腕にマウントします。
ちょっと重いので腕のへたりには注意。
また、カナード翼にヒルトファンネルとマウントすることも可能。
さらにライフルをマウント。機首のビームキャノンを併せた一斉射撃も可能です。
バックパックのカバーを外すと、本体バックパックと同様のハードポイントが露出します。
大帝のミッションパックはこのまま装備可能ですが、一部付けられないものについては専用のアタッチメントが付属します。
向かって左側がEタイプ用、左がBタイプ用です。
アクションベース
黒色成型のアクションベース4が付属。
画像以外にも多数のアタッチメントが付属しています。ベースパーツは1枚だけ。
最近はなにかと同梱されてくる感のあるアクションベースですが、正直ありがた迷惑なところもありますね。
そんなに数要らないんだよなぁ・・
それに、MGを支えるにはベース1枚だけだと少し心許ないです。
比較画像
1号機と本体のみで。
基本、ただの色違いです。
青と赤が完全にテレコ・・というわけじゃないのが面白いところ。
バックパックも本来は同じもののはずですが、先に触れたように今回のものはNパック装着のためサーベルラックの基部が飛び出したものに変更されています。
MG ガンダムF90 の レビュー - 退屈と惰性と (weebly.com)
F902号機の変遷。
左から順に、UC0111にロールアウトした状態(今回の)。
UC0120のオールズモビルとの戦いで実戦投入された状態(シド機)。
オールズモビルに鹵獲され、改修された状態(火星独立ジオン軍仕様)。
それを取り戻して再改修した状態(F90Ⅱ)。
ここまで姿の変わり続けた機体もそうそうないですね。
というか、10年近く現役なんだな。
MG ガンダムF90 2号機 + ミッションパック Rタイプ & Vタイプ レビュー | 退屈と惰性と 改 (amebaownd.com)
MG ガンダムF90 火星独立ジオン軍仕様 レビュー | 退屈と惰性と 改 (amebaownd.com)
MG ガンダム F90Ⅱ Iタイプ レビュー | 退屈と惰性と 改 (amebaownd.com)
以下、画像
まずF902号機本体のみで。
先に触れた腰部可動のほか、腕部基部の引き出し、複部の捻りなど、高い可動性を誇ります。
本体はもうかれこれ5年ほど前のキットですけど、とくに古さは感じませんね。
デザインも自体シンプルですし、少なくとも素体状態でポージングにストレスを感じることはないですね。
アクションベースを使って。
SEED撃ちもばっちり。
個人的にはシールドの自由度が意外に低いのが少し気になりますね。
事実上前腕に固定されているようなものなので、せっかくグリップが動く意味もほとんどないですから・・
ハルファイターと。
NT専用機としての性能を発揮するためにはハルファイターのほうにメインパイロットが乗らなければならないことを考えると、バラバラに出撃して戦場で合体・・というのはあまり上手くないような気がするなぁ。
画的にはいいんですけどね。
端からNタイプとして装着状態で出撃する場合、F90本体には誰も乗らなくてもいいのかな?
それはともかく、付属のアクションベースで一度にディスプレイできるのはいいですね(要らないとか言ってたくせに・・)。
ただやはりこのベース1枚だけだとかなり不安定。
Nタイプで。
とくに本体可動に干渉することもないので、素体状態とほぼ同じ感覚でポージングできます。
フルバースト!
さすがにフル装備状態のシールドを付けると腕がへたります。
もう一方の手で支えてればなんとか持ち堪えられるかな。
行け! ヒルトファンネル!
ファンネルを展開状態でディスプレイできないのは片手落ちですよね・・
本体用にアクションベース付けるよりもまずそっちだろ・・と。
画像では適当なスタンド支柱に両面テープで貼り付けてます。
サーベル刃も6本あればなおよかった。
以下、複合装備をいくつか。
ガンダムF90 NEタイプ
専用のアタッチメントが付いていたので、まずはEパックを追加。
わざわざガンダムに電子戦をやらせる意味については置くとして、なかなか面白い組み合わせだと思います。
ガンダムF90 NBタイプ
同じく専用アタッチメントとを使ってBパック追加。
Bタイプの欠点だろう機動性をいくらか補えそうな組み合わせです。
ガンダムF90 NGタイプ
公式ページでNBタイプと一緒に紹介されていた組み合わせ。
追加装備は両肩だけななので、さらにほかのミッションパックを追加装備するのも面白いと思います。
ガンダムF90 NVタイプ
Vタイプとの組み合わせ。
こちらはハルファイターのウイングをVタイプのヴェスバーと換装し、Vタイプのバックパックは付けません。ほかのパーツは全部付けてます。
ライフルもそれぞれのものを両手に持たせてみましたが、コミックでもどうだったのかは知りません。
こちらが、ハルファイターのウイングをヴァスバーに換装したハルブラスター。
これでいいのかな? 飛べそうにないんだけど・・
そしてあらためてVタイプのヴェスバーのグリップ剥き出しには違和感があるなぁ。
フルバースト!
火力だけならF91以上かな。
ハルブラスターの分離機能も考えると生存率も高そう。
ガンダムF90 タイプFF
画像では忘れましたが、Nタイプのライフルもシールドに懸架した状態で持っていくのかな?
右腕の負担が半端ないですが・・
バランスも悪そうなので、操縦はかなりピーキーっぽいですね。
まぁ、そこはNT用か。
以上、“MG ガンダムF90 Nタイプ” でした。
本体をNT用にアップデートしたうえで、さらに従来のミッションパックとの同時装備も可能という、純粋に本体性能を底上げするNタイプ。
その発想はなかったなぁ。いろいろと考えられるものですね。
まぁ、さすがに26種類もあると一点特化のバリエーションにも限界がありますし、逆転の発想というのかな。
単独で戦闘機に変形できるというのも、ある意味画期的。
合体パターンはわりとお決まりというか、よく見る感じではありますが、F90においてはそれがかえって新鮮な印象でした。
ただキットとしては、せっかくのヒルトファンネルに展開状態でのディスプレイがほぼ考慮されていないのが残念でしたが。
さて、長かったA to Z PROJECTも遂に終わりが見えてきました。
26種のミッションパックも、残すところX、Y、Zの3種のみ。
Yは・・F90Ⅲ クラスターガンダムがYタイプとして扱われるのか、それともその原型となるパックが新たにデザインされるのか・・
XとZについてはどんなものになるのかまったく見当が付きません。
なんにせよ、最後の3つはすべて単品で発売されそう。
全部本体込みかもしれないなぁ。
F90自体にも、まだバリエーションがありそうですし。
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。