今回のレビューは、1/35スケール ハイグレード より、

“HG ガウェイン” です。

 

 “コードギアス 反逆のルルーシュ” に登場した試作型ナイトメアフレーム(KMF)、

“IFXーV3D1 ガウェイン” が、HGキット化。

 プレミアムバンダイ限定で発売されました。

 

 言うてる間に20周年を迎えそうなコートギアス。

 マジか・・もうそんなに経つのか。本当、あっという間ですねぇ。

 なんかまた新作やるみたいですけど、正直なところ、ギアスはルルーシュあってのもので、ぶっちゃけギアス能力とかコードとかも、わりとどうでもいいんですよね。

 設定よりもキャラクターなんだよね。

 復活のルルーシュはお祭り作品としてそれなりに楽しめましたが、スピンオフ系はアギトで失敗してる(あくまで個人の感想ですが)から、もうやらないでほしいなぁ。

 ゲームとかもね。すでに鬼籍に入られた声優さんもいらっしゃるし、代役を立ててまで新録はしないでほしかった。

 山ちゃんがシュナイゼルはダメだよ・・すごく浅く感じる(こら)。

 

 話を戻して。

 アニメ放送時の展開がショボかったプラモデルシリーズが、令和になって最新技術で復活してくれたのは嬉しい限り。

 まぁプレバン限定で細々と、というところではありますが、パッケージも説明書もカラーだし、クオリティ的にも文句なし。

 ただ、ランスロット・アルビオン、紅蓮聖天八極式と来て、次は当然蜃気楼だろうと思ってたら、ガウェインなのか・・

 まぁ、確かにインパクトはガウェインのほうがありますし、ここで1期登場機体に戻るというのは、今後もシリーズが続くとしてラインナップの幅が広がったとも思えす。

 さてガウェイン、アニメ放送時(後だったか?)にはROBOT魂で完成品アクションフィギュアが発売されたくらいで、キット化は今回が初だと思います。

 久々にギアス見たくなるな・・ていうか見ましたけど(笑)。

 では、レビューしていきます。

 キットはパチ組みしたのみです。

 

パッケージ

 シリーズ初の大判パッケージ。

 例によってフルカラーで、ガウェインといえばの両手を広げた浮遊姿勢からのハドロン砲発射シーンが真正面から描かれています。

 格好いい!

 一応主人公機ですが、どう見てもラスボスの貫禄。

 

 

IFXーV3D1 ガウェイン

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 ブリタニア第二皇子、シュナイゼルが神根島の遺跡発掘調査のために持ち込んだ未完成状態の実験機。

 その場に居合わせたルルーシュ(ゼロ)によって奪取され、ラクシャータの手で完成。以降、ゼロの登場機として黒の騎士団のフラッグシップになります。

 なお、劇場版三部作では神根島のエピソードがまるっとカットされているため、タンザニアの遺跡調査で中華連邦に奪われたあと黒の騎士団に渡るという流れになっています。

 高度演算機能となるドロイドシステムによる高い電子解析能力に加え、フロートシステムによる飛行、武装面では強力な加粒子砲、ハドロン砲を2門、両手の指10本がすべてスラッシュハーケンとして射出可能と、トータルでは高いスペックを誇るものの、一般的なKMFの1.5倍ほどの巨体となってしまったために小回りが利かず、接近戦には脆いところがあります。

 コクピット複座式になっており、基本的な操縦はC.C.が、ゼロは主にドロイドシステムによる電子戦を担当します。

 ブラックリベリオンではブリタニアの航空部隊を壊滅。さらにコーネリアのサザーランドを撃破(ただしタイマン勝負では完敗)したものの、ナナリー救出のために向かった神根島近海でジェレミアのジークフリードに追い着かれ、ゼロ離脱後に相討ちのかたちで海中に沈みました。

 その後回収され、機体は修復されなかったものの、2期R2ではハドロン砲などの武装システムが斑鳩に、ドロイドシステムは蜃気楼にそれぞれ移植されたようです。

 なお、同じくR2ではこのガウェインをベースにした量産機、ガレスがブリタニアの戦力として投入されています。

 

 まず全身像。

  複数の新機能を搭載した実験機のため、一派的なKMFの世代区分には当てはまらず、見ためもかなり異質で独特なものになっています。

 フロートシステム搭載のコクピットブロックから伸びる6枚の突起や尖った耳(?)、肩や胸などの鋭角的なデザイン、そして一般的なKMFと比較して長い手脚と華奢にも思える胴体部など、そのシルエットは悪魔的ですらあります。

 じつにゼロ・・ルルーシュに相応しい機体ですね。

 HG化にあたってプロポーションは細かく調整され、立体物として破綻なくまとまっていると思います。

 アニメの印象よりも小顔になってるかな?

 KMFの特徴でもある背中に張り出したコクピットブロックは、先の通りフロートシステムに起因する6枚のウイングのせいもあってかなり大型になっており、当然重心が後方に傾きます。

 結果、直立時の自立はかなり厳しいですね。できないとまではいいませんけど、かなりの確率で後ろに倒れると思います。

 画像では適当なスタンドを使用しました。

 色分けは成型色でほぼすべて再現。メインカラーのブラック、コクピットユニットのダークレッドなどはグロスインジェクション加工でツヤッツヤです。

 グロスインジェクションは綺麗ですけど、触ると指紋がべったり残るのが難点なんだよなぁ。

 こまめに拭きつつ撮影しましたが、拭き切れてないところがあるかもしれませんのでご容赦を。

 

 頭部アップで。

 ピンと立った耳のようなアンテナ(?)が特徴的な頭部デザイン。

 イメージはコウモリとかなのかな? でもちょっとウサギっぽくも見える。黒バニー・・

 なお、ツインアイも成型色で再現されています。

 カラーリング再現用のホイルシールの類いはありません。

 

 印象的な両手を広げたポーズ再現のため、肩アーマー側面のゴールドのパーツの下側が上にスライドするようになっています。

 

 肩間接自体、引き出すことで大きく動かすことができます。

 ただ、コクピットから生えるウイングと肩の突起が干渉するので思ったほどは動かせませんね。

 

 肘は、曲げたときに内側の装甲が中に潜る構造になっています。

 90度ちょっと曲がりますね。

 

 股関節は左右独立して斜め下向きに可動。

 これはシリーズ共通の機構ですね。

 

 ハンドパーツは平手が2種類、左右分付属。

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 あと、後述するスラッシュハーケン再現用のものも左右分で、計3種類ですね。

 まぁ、手持ち武装のない機体なので持ち手が付かないのはいいとして、握り手くらいはあってもよかったかも・・

 

 

 コクピットブロックは簡単に取り外し可能。

 単体でもMAっぽいな。

 先のアルビオン、聖天八極式もそうでしたが、コクピットハッチの開閉ギミックはありません。

 1/35スケールなら、それくらい再現できる余裕はあると思うんですけどね。

 ギアスはキャラクターも魅力なんだから、搭乗姿勢のフィギュアが付属してればより価値があっただろうに・・

 旧シリーズ(メカニックコレクション)ではやってくれたのになぁ。

 コクピットブロック下部のカバーを開くと、スタンド用の3㎜穴があらわれます。

 ボールジョイントを嵌め込んでいるかたちなので、ブロック側手本のちょっと動かせます。
 まぁ、可動というよりはスムーズな付け外しや摩耗対策だとは思いますが。

 

 

武装・ギミック

ハドロン砲

 両肩に装備される、劇中最大級の威力を誇る高出力加粒子砲。

 初登場時は未完成でしたが、ラクシャータの手で完成しています。ロイドが悔しがっていましたね。

 上下の装甲が展開し、発射態勢を再現可能。

 砲口部はジュエルシールで再現されます。

 

スラッシュハーケン

 両手の指10本すべてが射出可能なワイヤーアンカー、スラッシュハーケンになっています。

 ワイヤーはリード線で再現。

 なかなか真っ直ぐピンと張るのは難しいです。どうしてもへたりますからね・・

 なお、指は親指、人差し指と中指、薬指と小指でそれぞれ同じ形状(長さ)になっています。

 親指はともかく人差し & 中指と薬 & 小指の長さはパッと見わからないので注意です。

 上の画像では中指の上下がひっくり返ってますね・・

 リード線はすべて15㎝にカットするよう指示されていますが、もちろん好きな長さに調節可能。

 実際には80㎝くらいの長さのものが2本付属しています。

 とくに仕様ではありませんが、余ったリード線を短くカットして接続用に使うことで、5本一斉ではなく特定の指だけ射出した状態を再現することもできますね。

 

ランドスピナー

 KMFの定番機構である地上を高速移動するための走輪装置。

 一般的なKMFでは足首付近に装備し、通常は脛外側に立てた状態だったりするのですが、ガウェインでは普段は脛後ろ側に収納されてて、使用時にスライド展開する仕組みになっています。

 紅蓮もそうですね。

 キットでも差し換えなしでの展開が可能。

 車輪は爪先後ろと踵、そして展開するフレーム部に2輪一組のユニットで計4つありますが、爪先と踵についてはディティール再現のみ。

 フレームぶの2つの車輪は一応回転できます。

 根元と車輪のユニット、そして踵部分とでそれぞれ可動します。

 

アクションベース

 浮遊ポーズ再現のためにアクションベース1式が付属・・してるんですが、バージョンは違えどなにかというと付いてくるので、もううちに何個あるのかわかりませんし、スタンドならほかのもので事足りるので組んですらいません・・

 ぶっちゃけ要らないんだよなぁ。

 いや、わかりますよ。

 ガウェインといえば浮遊ポーズ、その再現にスタンド類は欠かせないわけで、キット単独で完結させるには必要な要素ではあります。

 でも、だいたいみんなスタンド余ってるよね(そんなことはない・・)

 これ、単品だと500円くらいでしたっけ? 付けないとそのぶん価格下がったのかな?

 

比較画像

 ROBOT魂版と。

 アルビオンや聖天八極式の例があるので、今回のHGキットのほうが大きいだろうと思ってたんですが、ほとんど一緒でしたね。

 プロポーションやデザインのアレンジも、ほとんどない感じ。

 ROBOT魂版のほうが若干猫背なのは、体幹の保持力が弱っているからです。

 ちなみにROBOT魂版にはコクピット開閉ギミックがあり、塗装済みのルルーシュフィギュアが搭乗可能。

 

 C.C.は本体側にいるのかな?

 

 HG ランスロット・アルビオンと。

 同時期には存在していないのでありえない並びですが、せっかくなので。

 さすがにガウェインがでかいですが、アルビオンが実際よりもかなり大きくなっている(気がする)ので、思っていたほどの巨大感はないです。

 

HG ランスロット・アルビオン レビュー | 退屈と惰性と 改 (amebaownd.com)

 

 HG 紅蓮聖天八極式と。

 こちらも同じく並び立たないきたいですけども。

 アルビオンよりさらにでかい聖天八極式。これでエナジーウイング展開したらボリューム的にはほとんど変わらないんじゃないかなぁ。

 で、この2機(というか、ガウェインと紅蓮シリーズと)ではやはりランドスピナーの仕様がよく似ていると思うのですが、なんらか関わりがあるんですかねぇ?

 

HG 紅蓮聖天八極式 レビュー | 退屈と惰性と 改 (amebaownd.com)

 

以下、画像

 構造的には先のアルビオンや聖天八極式とほぼ一緒なんですが、なんだろうな? あの2機ほどは動かない印象。

 まぁ、ある意味劇中通りという感じはしますけどね。

 やはり自立が厳しいので、基本はスタンド使用を推奨です。

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 浮いてるとほぼ棒立ちでも格好いい(笑)。

 これはデザインの勝利ですよ。

 強者感がすごい。実は見かけ倒しだったりもするんですが・・

 

 ランドスピナー展開。

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 あんまりこれ使ってたイメージがないなぁ。

 やっぱりほぼ飛んでましたからね。

 そもそも必要な機能だったのか? というところ。KMFには付けないといけない決まりなのかな。

 

 飛行ポーズで。

 初の単独飛行を可能とした機体でもありますが、やはり巨体が原因か、それほど高速で飛行できる感じではなかったです。

 どちらかというと優雅に浮いてる感じで、そんなふうに余裕を見せておくことによる心理的効果も考えたデザインなのかもしれないですね。

 

 体幹の前屈可動と股関節可動のおかげで立て膝は綺麗に決まります。

 左手に乗っているのはIN ACTION!! OFF SHOOT 無頼(ゼロ専用機)に付属していた立ち姿のゼロフィギュア。

 スケール的にも違和感ないですね。

 ちなみに、IN ACTION!!というのはROBOT魂の前身となったアクションフィギュアシリーズ。ガンダムシリーズのMS IN ACTION!!が一番広く展開してましたね。

 

 お疲れガウェイン。

 ウイングのせいで腰を下ろせませんが・・

 

 ハドロン砲発射!

 ハドロン砲のエフェクトパーツとかも欲しかったなぁ。

 まぁ、時系列的に仕方ないんですけど、アルビオンや聖天八極式のエナジーウイングとかを見たあとだと意外と地味なんですよね、ガウェイン。

 存在自体は派手なんだけども・・

 

 スラッシュハーケン射出!

 10本全部射出した状態はまぁまぁ派手か。

 ハドロン砲とのバランスを考えると、これは攻撃用というよりむしろ防御用の武装なのかな。

 いずれにしてもこれを操るのもかなり大変だと思う。これの担当はC.C. ?

 

 VS コーネリア。

 ハドロン砲の攻撃で航空戦力を全滅させ、意気揚々と政庁に降り立ったゼロを待っていたのは妹の復讐に燃えるコーネリアだった・・

コ「どぉうしたゼロぉ!?

ゼ「スペックでは圧倒しているはずなのに・・!

 いやぁこの台詞、実にルルーシュらしいですよね。

 まぁ、ルルーシュも決してパイロットとしてダメではないんですが、いつも相手が悪過ぎる。コーネリアにしろ、スザクにしろ・・

 そもそもこのときメインで操縦してるのはC.C.か。

 彼女もパイロットとしては中の下くらいですからね。カレンにはまったく敵わないし。

 

コ「これでぇ!

 しかし、ここでもしっかり保険をかけておくのがルルーシュ。

 特区日本事件の際に、想定外のギアスの暴走で混乱する中でも次の手を打っていたのはすごい。

 ありがとう、ダールトン・・

 

 以上、“HG ガウェイン” でした。

 

 R2のときの蜃気楼は絶対守護領域に変形と、多機能な機体で出番もそこそこ多く活躍した印象ですが、やっぱりゼロの機体といえばガウェイン。

 圧倒的な火力で一般兵相手には猛威を振るうも、ネームド相手には一気にでくの坊になっちゃうところとかも、なんというからしい感じでお似合いだと思うんですよね(笑)。

 だからまぁ、蜃気楼じゃなくまず(まず・・でいいよね?)がウエインがHGキット化してくれたことは非常に嬉しいです。

 劇中の印象通りの威容。テッカテカの漆黒とゴールドのボディの高級感。やっぱり格好いいですね。

 まぁ、キットとしては案外シンプルで、可動性もそこそこ。派手なエフェクトもありませんし、案外地味な印象です。

 アルビオンにしろ聖天八極式にしろ、もちろん今回のガウェインも、本体の出来はよいのですが・・

 なんか、真面目過ぎるんですよね。

 ある意味ギアスっぽくないというか、もっとケレンみが欲しいところ。

 具体的に問われると難しいんですけども。

 

 さて、今回のガウェインの発売で、ラインアップの幅も広がったと思うHG ギアスシリーズ。

 蜃気楼はいずれ出るとは思いますが、ガウェインと並べる、対決させることを考えるとグロースターや、旧型のランスロットのリメイクも期待したいなぁ。

 

 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。