「元債権回収担当から見た起業して生き残る人の特徴」
個人事業主として14年前に起業。法人成りを経て、法人10年目。
お陰様で現在も生き延びております。
自身の経験をシェアします。
私は独立前に元々、金融機関で債権回収を担当していた時期がありました。
資金繰りに困った状態のお取引先、お客様とたくさん接してきました。
事業経営、会社経営はまさに土俵際。
その中でも、不死鳥のごとく復活する方、最後は行方不明になってしまう方など、
世の中の無常さ、儚さを肌で感じて参りました。
債権回収時代の経験。
現在の自身の経営に大きな影響を及ぼしているのは言うまでもありません。
経営を存続、存立する力、
防御力を重視するスタイルが、知らぬ間に確立されました。
会社員を卒業後、紆余曲折を経てまさか自分が起業することになるとは。
思い起こせば、2012年の3月。
2011年3月の東日本大震災が発生して約1年。世相も混沌とした状況でした。
流れで何故か起業することとなり今日に至ります。勿論、自分で決めました。
2012年3月に屋号(青色申告)にて起業。早、14年。
法人成りして10年目。年月が経過しました。
お陰様で色々ありましたが生き残って参りました。
特に2020年頃は世界を巻き込んだ未曾有の出来事。コロナ禍がありました。
国の制度などもあり、本当に助けられました。
捨てる神あれば拾う神ありです。
祖業のEC事業はコロナ禍以降、休止する形となりましたが、
事業形態をマイナーチェンジしながらも
昔も今も原則、無借金経営。
お陰様で現在も生き長らえております。
そんな私も起業する方、起業された方を何名も何名も見て参りました。
私よりも先に起業された方。同時期に起業された方。新しく起業された方。
様々な方を見てきた中で、1年、3年、5年、10年。そして、それ以上の年月。
事業を継続して生き残る。これを成し得ている人は思いの外、多くありません。
中には親族から事業承継した事業ですら、
バトンタッチした新しい代で廃業となったケースも少なくありません。
廃業、倒産。厳しい現実です。
・スモールビジネスは最強かも
固定費の少ない。堅実な経営。
これに勝るものはない。そのように痛感します。
毎月の固定支出が多いビジネスですと、資金的、体力的に疲弊して、
やがてキャッシュフローがショートします。
これは、決算書(B/S,P/L)を見れば、一目瞭然ですが
開業、起業に伴い、分不相応な支出を行ったり。
返済の見込み、当てのない借り入れを行い、毎月の返済で青色吐息になったり。
そもそも、
ビジネスの世界では見込んでいた売上、入金が吹っ飛ぶことは日常茶飯事です。
会社員時代の約束された毎月の給料のように、お取引先様、お客様からの売り上げ、入金は
保証されているものではないからです。
それにも関わらず、絵に描いた餅のような事業計画で妄想をして。
創業時期に大規模な融資、借り入れを行い。
融資が通り、だぶついた手元資金で、分不相応な投資という名前の無駄遣いを行い。
会社員と違い社長たるもの、○○が必要。派手な交際。などと、会社経営ごっこ。社長ごっこを始めた時には
既にボタンの掛け違いが始まっていると言えます。
生き延びている方。
細々とでも事業継続をしながら生き残る人は、見栄を張ることはあまりないように思います。
私自身も2012年3月の起業時に当時、成長産業であったEC事業(ネット通販)を手がけました。
その時に、創業融資なども使わずに手元資金から、絶対に必要であるPC(ノートパソコン)を購入しました。
当時、某家電量販店のセールで山積みされていた29,800円のノートPC。
お世辞にも高性能とはいえませんでしたが、そのPCを相棒にほぼ毎日、5年ほど壊れるまで使いました。
一般的な同業他社様のように
ホームページなども外注して100万円払うなどではなく、未経験でしたが自分で作成、開設しました。
創業時、屋号で起業。その自作のHPはお客様から直接注文が入るようになり、結果、業容が拡大して
数年後の法人成りに繋がりました。外注してHP作成依頼も間違いではありませんが、100万円が使えなくなります。
私は、HPを外注せずに自作して、浮いたお金を使い、海外にて商品仕入れ代金費用などに投資しました。
小さく始めて無理なく育てる。
最近、流行っているスモールビジネスとも近い観念かもしれません。
・生き延びろ。生存戦略
もしも売り上げが0になって、どのくらい耐えられるか。
それが、毎月の固定費が少ない場合、お金の減り方が緩やかです。
一人だけで事業をしている場合、雇っている方への給与などの支払いもありません。
自宅兼事務所や自己所有の物件の場合、事業として必要な毎月の家賃も必要ありません。
これは考え方次第ですが、このような防御力に全振りすることで
事業の継続力を強める、高めることが出来ます。
反面、将棋でいえば穴熊のような防御力にバロメーターを振った配分となりますので
成長力などは、どうしても緩やかになる傾向があります。
これは好き好きです。正解はありませんし、何を正解とするか。何を採用するか。
それは、起業した本人次第です。
尚、起業して1年~数年で廃業している知り合いが少なくありません。
その多くが再就職の道を選んでいます。
日本では起業してもこのように再就職などを経て
再度、チャレンジすることも可能です。
勿論、海外よりも制約がある部分もありますが、
ガッツと気概があれば、リベンジしたりまた起業することも可能です。
起業し、事業を開始した時に分不相応な車を買ったり
分不相応な事務所を借りたり、分不相応な設備を導入したり。
分不相応な投資をする。結果的に上手くいく場合もあるかもしれません。
しかし、投資した対象物が、直接的に売り上げに貢献しなかったり
そのお金が本来の優先順位が高い投資対象よりも、優先されてしまって
お金が流出したとしたら、自業自得ともいえます。
これは、スモールビジネスの概念からいえば、経費、固定費が増大して生存率を下げる結果を生む。とも言えます。
「元債権回収担当から見た起業して生き残る人の特徴」
強いて言えば、勘違いをしない人。でしょうか
起業することで浮かれる気持ちも分かります。
新しい名刺を作ったり。銀行口座を開設したり。
しかし、安定した毎月の売り上げ、入金、手元に残るお金。
それがあってこそ、事業として継続力がある状態、存立が可能な状態な訳です。
逆にそこに至らなければ、遅かれ早かれ破綻します。
そして、売り上げが増大すると、私も経験ありますが、
残念ですが大なり小なり勘違いをします。天狗になり、自滅します。
初心を大事にする意識。謙虚な意識が大事です。
お取引先様、お客様、関係者様、全ての皆様のお陰で生きている。
それは、自分自身だけではなく、事業も生かされている訳です。
常に謙虚に、気を引き締めて。そして、誠実に取り組んでいると
どんなピンチが到来しても、ちゃんとサポートが入る。
私自身が法人10年目を迎えたのは、
例えば、顧問税理士の先生、会計事務所の皆様がいなければ成し得ませんでした。
一人で成し得ていることなど何もない。
だからこそ、関係して下さる皆様に貢献できるように
目の前の物事にも、誠心誠意、精進して取り組むことが必要だと感じています。
ありがとうございました。
泰国屋合同会社 代表 飯塚
