本年3月に大学を卒業され、この4月から生まれ故郷の小学校に新規赴任されることになったMさんから、先日標記の卒業論文が届きました!
早速、楽しみに読ませていただきました。
とにかく、驚きとともに深く感銘を受けたというのが私の率直な感想です!
Mさんとは、偶然の二つの縁で出会うこととなりました!
一つは竹原市の小規模校N小学校、もう一つは私も所属する太鼓グループです。
Mさんとは太鼓グループで1年と少しの付き合いですが、私は彼女について何も知らなかった!と今更ながら後悔しています。
それというのも、新入会の人の指導に私は余り口をはさまず他のメンバーに任せきりで、せいぜいワンポイントのアドバイス位しか声掛けをしていなかったからで、大変申し訳なく思っています!
さて、Mさんが何故標記のテーマを卒論に選ぶことになったのか?
それは、大学3年生の夏の教育実習で訪れたN小学校で見た子どもたちの和太鼓演奏に心を揺さぶられ、自分も教師になったら和太鼓に取り組み、その魅力を子どもに伝えたいと強く思ったからなのです!
そして、その魅力について自らも体験し探るべく、太鼓グループの門をたたいたのです!
卒論の内容は多岐に渡っています!
内容は、和太鼓の歴史・特長、和楽器の学習授業の実際、和太鼓指導・実践の現状と課題、N小学校の実践、小学校教育で和太鼓を教えることの意義と教師に求められるもの。
この短期間に本当によくまとめられたと思います。
沢山の文献を読み、時間をかけて取材をして、自らの感動を源泉にして、自らの問題意識を持って、それぞれの項に深く切り込んでいます!
論文の主要な部分は、N小学校での実践を丁寧に注意深く取材した内容と、その考察で占められています。
11月の私の授業と、12月の和太鼓朝会の内容が、
児童の活動様子・担当の先生の働きかけ・他の先生の働きかけの3点で、同時に並列して細かく記録されています!
これには、本当に驚きました。
Mさんの卒論の意図するところが最初に結論ありきではなく、その取材の過程を大事にして、
するどい視点と考察で書かれている点が本当にすごいと思いました!
子どもの様なみずみずしい感性で書かれています!
このN小学校での取材・発見を通して彼女は以下の様に結んでいます。
“N小学校の和太鼓は、一人一人が練習の中で素顔の自分をさらけ出し、そこから変わっていった新しい自分を演奏の中で力いっぱい表現している。児童は互いの人間性を感じ、その変化を認め合うことができた・・・。児童たちが自分自身と向き合うことで一人の人間として大きくなり、互いの成長を感じ合う!そのことが和太鼓学習の本当の意義なのではないだろうか。”
“和太鼓を通して学習できるのは「国際社会で生きる日本人としての自覚を生み出す」ことでも、和太鼓の表現能力を高めて「上手い演奏をできるようになること」でもないのだ。児童の心を育て人間として成長させることに和太鼓の意義を見いだし、児童が一人の人間として輝けるような和太鼓学習が大切なのだ”!
そして巻末では、
“和太鼓の指導方法に正解・不正解はないのだと考えるようになった。”
“児童の和太鼓学習を通した人間性の変化・成長に寄り添いながら、私も自分なりの和太鼓指導の方法を見つけ、児童に伝えていけるような教師を目指したい”!
Mさんが自らの感動からスタートして、実践・体験をして、現場を研究・取材して得ることのできたこの卒業論文は、N小学校の子どもたちや先生たちへの力強いエールであると同時に、
同じ様な思いで現場で頑張っている人への大きな指針・励ましとなるものだと思います。
私自身も、今一度Mさんの引き出してくれたことを参考にして、子どもたちや障害のある人たちに寄り添って実践していきたいと思います!
Mさん、素晴らしい論文をありがとうございました。
身体を大事に、緩やかな気持ちで頑張って下さい!