今年3月の『広響マーガレットコンサート』で、4つの障害者グループで合同演奏した『意気揚々~元気・勇気・笑顔~』という曲、これからも、この曲で多くの人に元気になってほしい!と、今売り出し中です!!
来週から始まるアステールプラザでの和太鼓研究生教室でも、この曲に取り組んでもらえると聞き、この機会に、この曲が生まれた昨年のことを書いてみたいと思います。
昨年のこの取り組みは、私にとって、とても心に残る素敵な仕事の一つとなりました。
『意気揚々~元気・勇気・笑顔~』
この曲は、広島県立広島南特別支援学校中学部・高等部の子どもたちのために2008年4月に作曲しました。
篠笛を小川敬子さんに作曲してもらいました。
この年の10月に開催される『第42回全日本聾教育研究大会』のオープニングに和太鼓で歓迎演奏することになり、その指導の依頼を受けました。
聾唖の子どもたちとの和太鼓練習は、『広響マーガレットコンサート』以外では、南区の光清学園との練習以来20年振りです。当時の子どもたちの様子が蘇ってきました。
学校では、これまで中学部と高等部が一緒に何かに取り組むということはなかったそうです。
耳が聴こえないというハンディーと、40人近い大人数での演奏、確保できる練習は多くて10回という条件で、果たして何が出来るかを色々思案しました。
中学部にはシンプルで覚えやすいリズムを、高等部の子ども達には少し難しくてもやり甲斐のあるリズムをと考えました。中学部の中には重複障害の子どもが10数人いたので、その子たちにはパーランクを持って演奏してもらうことにしました。
いよいよ4月、1回目の練習に早速『意気揚々』を持っていき練習を始めました。
所作は後回しにして、リズム練習から始めました。
リズムを覚えきるまでは、全体のテンポがどうしても揃いません!
指揮・ベース役の先生の太鼓を真ん中にして、そのすぐ後ろに締太鼓担当の2人の子どもを向かい合わせで座ってもらいました。
この3人のテンポを皆が感じる様に、“気持ちを一つに、リズムを身体に感じて!”と毎回かなり厳しく指導しました。
子どもたちの最初の表情はくぐもっていて“ダメか?”と思いながらも妥協せず厳しい指導を貫きました。
結局私は練習に8回しか伺いませんでしたが、担当の先生たちの熱心なサポートで、練習に行く度に子どもたちの表情や取り組む姿勢が変化していきました。
子どもたちの“音のない世界”を私は本当には解りません!
しかし、相手の目をしっかり見て手話でコミュニケーションをしている彼らには、人一倍の集中力と表現力が備わっていると感じます。
和太鼓も、その力で必ず自分のものにしてくれると信じて取り組みました。
和太鼓の響きで“音楽をイメージする!”、“皆と共感しあう!”、“心を一つにする!”ことを!、更にこの取り組みで“大きな一つのことを成し遂げる”体験をしてほしい!と願いました。
いよいよ、練習を頑張り抜いて本番を迎えました。
先生も子どもたちも一つになり、まさに“意気揚々!”、“元気・勇気・笑顔!”が観ていただいた全国の人たちに伝わったと確信しました!!