大好きな田辺聖子さんのエッセイの表紙画を担当させていただきました!
今日発売です。
「田辺聖子の万葉散歩」(中央公論新社)
人を恋うること、愛すること、別れゆくこと……。千年の時を超えてもなお変わらぬ思いを、生き生きとした歌に残した万葉の人々。万葉150首について、その背景や人びとの心の情景を、作家ならではの目で読み解いたエッセイ。
編集者さんと打ち合わせし、表紙は「おおらかな感じと小さいものへのまなざし」をテーマにしようということになりました。
どこか古風な雰囲気を入れつつ、ポップに仕上げて新鮮さを出したい、と選んだモチーフは「スズメと菊」。
どちらも「日本」「古風」「懐かしい」感じだから。
それを、色と形、そして構図でポップに仕上げました。
下のほうは、草と雲と両方のイメージ。
田辺聖子さんと万葉集のもつ優しさと情熱を表現♪
(裏側まで絵は続いています)
万葉集は、現存する日本最古の和歌集。(7世紀後半から8世紀後半頃)
4500首以上の歌は、貴族や防人(兵士)など有名無名なさまざまな身分の人が詠んでいます。
私もいくつかの歌は知っていますが、もう一度、田辺聖子さんの目を通して描かれた万葉の世界に浸りたいと思います。
(扉絵も見てね♪)
さて、最初に書いたように私は田辺聖子さんの大ファンです。もう、何冊読んだかわかりません。
最初に読んだのはたぶん中学生の頃。
イラストレーターになってから、単行本や文庫本の表紙画は300冊以上担当していますが、田辺聖子さんの本は担当したことがありませんでした。
そして昨年、田辺聖子さんはお亡くなりになり、「ああ、もう担当することはないんだろうな」と思っていたところに依頼が来たのです!
ご本人に表紙を見ていただけなかったのが残念ですが、田辺聖子さんの魅力がたくさんの方に伝わるお手伝いができたかなと思っています。
ああ、でもやっぱりご本人に表紙を見ていただきたかったなあ〜〜。
私の最近の本もよろしくです。