タモリさんの魅力とは何でしょう。

 
 
知識が豊富で博学なところ。
 
飄々としているところ。
 
品のあるところ。
 
 
このように、
ひと言でその魅力を言い表せないくらい
ミステリアスなところが最大の魅力
なのかもしれませんが、
 
その多くある魅力のなかのひとつに、
 
「『男』を感じさせないこと」
 
これがあるのだと僕は思います。
 
 
当然タモリさんも
スケベなことを言ったりするのですが、
そこに『イヤらしさ』はありません。
 
 
それはタモリさんに、
女性が男性に対して感じる『イヤらしさ』、
言い換えると、
『男』という概念が
あまり存在しないからではないでしょうか。
 
 
例えば、
「ビッグ3」のタモリさんを除く御二方。
 
ビートたけしさんと明石家さんまさんは
今でもテレビで「お姉ちゃん」の話をしたり
様々な報道がなされたりで、
今でも『男』を感じさせます。
 
 
それが魅力であったりもするのですが、
それに嫌悪感を示す方も少なくはない
でしょう。
 
 
御二方にはまだギラついたものがあり
『安心感』があまり得られないのです。
 
 
その点、
タモリさんにもスキャンダルが決してない
わけではありませんが、
『安心感』があるのです。
 
 
それは中性的、とはまた異なった独特の
『男』を感じさせない魅力が
男女問わず幅広い層に支持を得る
所以なのではないでしょうか。
 
 
 
しかし、
そんなタモリさんにも『男』を感じさせる
時代がありました。
 
 
1970年代にハナモゲラ語やイグアナ芸等の
いわゆる『密室芸』で注目を集め、
 
80年代に入り、
『今夜は最高!』や『笑っていいとも』が
始まった頃のタモリさんは30代後半。
 
 
その頃のタモリさんは、
まだまだギラついた『男』でした。
 
 
そんな『男』を感じさせるタモリさんを
象徴するのが、
ジャズ・トランペッター日野皓正さんと
かつて共演した、
男性化粧品『ダモン』のCMです。
 
 
 
 
日野さんの手がけられた曲『ピラミッド』
にのせて、
 
鏡に向かい化粧水を塗る
日野さんとタモリさん。
 
 
タモリさんの上裸にタオルを肩にかける姿に
違和感を感じます。
 
 
 
機嫌よく化粧水を塗っているのですが、
 
 
 
後ろを金髪の美女が通りがかり、
2人に何やらアピールします。
 
 
その美しさに見惚れるように
口をあんぐり開けたまま手が止まる2人。
 
 
 
美女が通り過ぎた後、
 
台詞はありませんが、
“お前が誘われたんじゃないの?”
“いやお前だろ?”
と言うように指を差し合う2人を映しながら
CMは終わります。
 
 
 
 
バッチリオールバックに固めた髪型に
ティアドロップのサングラス。
 
裸にタオルをかけ、
金髪の美女に鼻の下を伸ばすタモリさんは
今から見るととても違和感があるのですが、
 
えもいわれぬ『色気』が感じられるのです。
 
 
当然今のイメージとのギャップも
あるのでしょうが、
 
本来タモリさんに存在する色気が
そうさせるのだと思います。
 
 
ご自身でそれを望まなかったせいか、
90年代に入ってからは
その色気はテレビからあまり感じられなく
なりましたが、
 
本来は大変セクシーな方なんだと思います。
 
 
それはビッグ3の他の御二方にも
勝るほどのものだと僕は思います。
 
 
このコーセー化粧品のダモンのCMは、
今ではなかなかお目にかかれない
タモリさんのギラついた『男の色気』を
感じることの出来る作品です。
 
 
 
すっかりと落ち着いたタモリさん。
 
 
もし、
タモリさんがご自身の本来持つ、
色気ある『男』を
今の年齢で表現したならば、
 
また違った『魅力』が
たくさんある魅力のなかにひとつ加わり、
ミステリアスな魅力を更に深めることと
なるのでしょう。