金曜日のゴールデンタイムといえば、
『花金』の名にふさわしいテレビ番組が
たくさん放送されていました。
ドラえもんに金八先生、
太陽にほえろ。
そして、
ワールドプロレスリング。
新日本プロレス中継番組である
ワールドプロレスリングは
全日本プロレス中継と並び、
子どもたちにとっての
『ヒーロー番組』であり、
出場する選手は皆『ヒーロー』でした。
時代によって変遷していくヒーロー達の中、
70年代から80年代初頭にかけての
新日本プロレスのトップヒーローは
アントニオ猪木。
筋骨隆々な肉体に精悍な顔立ちをした
全盛期の猪木さんは、
仮面ライダーやウルトラマンに
引けを取らないほどの子どもたちの憧れの的であり、
紛れもないヒーローでした。
そんな猪木さんが全盛最後期に出演し、
ワールドプロレスリング内でも
放映されていた
低周波治療器『リズムタッチ』のCMです。
猪木さんの気合の入った第一声で
CMが始まり、
最初から子どもは心を鷲掴みにされます。
という痺れるような歌が流れるなか、
ゴツゴツとした岩肌の見える大地で
縄跳びトレーニングをする猪木さんが
遠景からズームするように映されます。
子どもたちに思わせるほどの説得力を持つ、
猪木さんの逞しさと軽快なステップ。
草原でリズムタッチを手に
胡座を組んで座る猪木さんが映ります。
そして、
「リズムタッチは15分で体に自然なリズムを
呼び戻します。」
というナレーションと説明画面が入り、
という猪木さんの言葉に続き、
“リズムタッチ”
というサウンドロゴが流れて
CMは終わります。
まだまだ精悍で逞しい猪木さんの
何とも格好良いCMです。
『世界一強いアントニオ猪木 頑張れ!』
という幟が会場内に掲げられているのを
プロレス中継内でよく目にしましたが、
その幟も決して大袈裟でないと思わせる程の
格好良さはまさしく、
ヒーローの姿そのものです。
実際に現代の総合格闘技と比べると
技術面では雲泥の差でしょうが、
見る人を魅了する光り輝くスター性は
総合格闘技の選手に決して劣らないものだと
僕は思います。
あの時代、
アントニオ猪木は間違いなくヒーローでした。
77歳を迎えた猪木さん。
身体を酷使するプロレスラーのなかには
残念ながら早逝してしまわれる方も
いらっしゃいますが、
いつまでもお元気でいていただきたく
思います。