丸大食品のハンバーグCMといえば、

『ハイリハイリフレハイリホー大きくなれよ』でお馴染みの作品が有名ですが、
このCMも負けず劣らずの名作です。
 
 
 
“リンドンリンドン♪美味しいものがあれば♪”
 
絵に描いたようなジ・アメリカンな家族が
楽しそうに歌いながら登場。
 
パパ、お嬢ちゃん、お坊っちゃん、ママの順に電車ごっこの様に1列に連なり
滝の前でノリに乗って飛び跳ねています。
 
 
”リンドン♪美味しいものがあれば♪”
 
食卓についた子供たちの前には美味しそうなハンバーグ。
更にボルテージの上がる2人。
 
ノリに乗っていたのはこんなご馳走が待っていた為だったのでしょう。
 
 
子どもに負けないくらい興奮するパパ。
 
滝にグラスをかざして水を汲んでしまう始末。

 
“そこはパラダイス♪♪”
 
さぁこれから家族揃って滝の前でアウトドアランチのスタート。
 
さぞ楽しいことでしょう。
 
まさにパラダイス。
 
 
 
ここでカメラが一気に引きます。
 
 
 
 
 
 
 
 
いや、どこで食べとんねん!
 
 
この家族、何かのRPGのパーティーやったんかというくらいのパラダイス過ぎる食卓。
 
ドラクエぐらいでしかこんな浮島ダンジョン見たことありません。
 
最初の
“リンドン♪リンドン♪”も
この浮島の縁を電車ごっこでぐるぐる回っていたかと思うと身が縮む思いです。
 
 
 
このCMが本当に凄いのはここからなんです。
 
 
終盤にかけてまだカメラは引き続けます。
 
 
ここからまだ引く。
 
 
まだ引く
 
 
小っさぁぁ!!
 
結局最後に出る商品の間に豆粒のように見える浮島。
 
もはや一家の姿は見えません。
 
驚くくらい雄大な自然のなかで食事してるということを表現するための多少のズームアウトは理解出来ますが、
そこまでやるかというくらいしてしまう秀逸なセンス。
 
 
また、さりげなく迫る
 
『すき焼 牛ハンバーグ』
 
『てりやきごもく ハンバーグ』
 
の破壊力。
 
一度味わってみたいと思わせる魔性の魅力。
 
本当に素晴らしいです。
 
 
 
丸大さんはこれを狙って作ったんでしょうか?
 
あえてツッコまれることを想定してこのCMを制作したのでしょうか?
 
 
僕はそうは思いません。
 
雄大な自然のなかで楽しく自社のハンバーグを美味しそうに食べる家族を映し、
自然に劣らないくらい魅力のあるハンバーグを精いっぱいPRする。
 
ただこういう意図で作られた。
 
 
それが思わぬ視聴者のツッコミを呼び、話題となり、
後々まで語り継がれる名作となったのだ
と、僕は思うのです。
 
 
狙わずにそれが出来る人のことを、
何と呼ぶのかお分かりですか?
 
 
『天才』です。