「あ、参謀が戻ってきました」
「お……」
「どうだった？署長とは連絡とれたか？」
「うむ」
「それで南の守備は……？」
「何の問題もなかった。
さすがは京橋署長。素晴らしい手を打ってくださっていた」
「それでは私たちは南の守りに戦力は……」
「割かなくていい。見廻組は市内の警備のみに切り替える。再編成せねばならんな」
「っしゃ！！」
「じゃあまほろばちゃんはあのクソ偉そうな野郎に従う必要ねぇんだな？」
「元からそんな必要はないさ」
「では浅見刑事局長にその旨を伝えますか？」
「しなくていいだろう。
待ちぼうけを食らわせてやれ。プライドが高い輩には無視が一番効く」
「ふふ、なるほど。承知しました」
その頃アッラー第一陣壊滅の報が官邸に届いていた。
「茶ヶ谷……作戦の初手から失敗とはどういうコトだぁ？」
「ハッ、面目次第もございません」
「どうやら敵にもかなりの知恵者がいる様子。こちらの動きを読み、事前に手を打っていたのでございましょう」
「おのれぇ……我がメシア道をことごとく邪魔するとは。見滝原……どこまでも忌々しい地よ」
「総理、ご懸念には及びません。
見滝原への道は北と東ばかりではありません。遠回りにはなりますが、南の神浜経由であれば幹線道路も多いので奴らの戦力では防ぎきれますまい。しばしお待ちを」
「ふむ……」
「よいか茶ヶ谷。大切なのは結果だ。
この私に逆らう愚者どもを全て斬り捨てよ」
「御意！！」
