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激戦終了から数日……
★まほろば退院の日

「……え?
「オッチー局長にイザナギ副長!!
それに……京橋署長まで!?
どうなさったんですか!?」
「退院すると聞いてね」
「とりあえず挨拶に来たんだよ」
「オッチー局長、今回の件では何のお役にも立てず申し訳ありません」
「何を言う。謝るべきはこちらの方だ」
「それはどういう……?」
「敵の正体がわからない以上、監察だけで行動させるべきではなかった」
「うん、ちゃんと武闘派隊士と組ませて動かすべきだったんだ。オイラたちの戦術ミスだ」
「まほろば、申し訳なかった
「どうか許してほしい」
「か、顔を上げてください!!
(なんて人たち……これが警察庁の諜報課ならば強い叱責と処分が当たり前なのに……)」
「オッチー、イザナギ、よいかな?」
「御意!!」
「どうぞ」
「うむ」
「まほろば、大義であったな」
「い、いえ!私の方こそご迷惑をおかけしたコト、お詫びいたします」
「そうではない。お前ほどの手練れが抗しきれないレベルの敵であるコトが早くにわかったゆえに迅速に緊急事態を敷くコトができたのだ。言わば名誉の負傷よ。
それにお前が敗れた原因の一つには不慣れな武器を使っていたコトもあろう」
「聞けばお前の得意とする武器は小太刀だそうだな。配慮が足りなかった詫びとしてこれを受け取れ」
「これは……」
「二刀小太刀・紅桜。
これからはそれを振るうがよい」
「なぜここまで……」
「なに、働き方改革の一環だ。私は政府のような口先だけの改革は嫌いでな。きちんと実態に即した改革をしたい。
見廻組は私にとって最重要組織の一つ。隊士が不便を感じるようなコトがあってはならんのだよ」
「さて、署を長く空けるワケにもいかん。
戻るぞ」
「御意!!」
「あ、まほろばちゃん。
出仕は明日からでいいから。今日まではゆっくり休んでね」
「はい、ありがとうございます」
まほろばは去り行く3人に自然と頭を下げた。それは暗殺を命じられた対象である京橋アンコにこそ王者の風格が備わっていたコト……そしてオッチーとイザナギの2人からもそれに劣らぬオーラを感じたからに他ならなかった。
それはまほろばがある決断に至るきっかけでもあった……