晴れ 台風

 

 

6月12日   水曜日

 

8時・・25.5℃   3時・・31,7℃

 

 

8時9分

 

朝ドラを見ていたら、黒猫が、何処からかか来て、階段の下に座った。口元に、白っぽい段のような形のゴミが付いていた。何処か、枯れ葉の中にでも居たのか思って、よく見たら、何だか、そうではないようだった。

 

1本の長いひげに、何かの液体が、つつーと下がり、途中から、2本目の長いひげに掛かっていたのだ。それが、階段のように垂れていたのだった。また、よだれかなと思い、じっと見たら、やはりよだれだった。

 

彼女は、最近、よだれを垂らしているようになった。年のせいかと、その都度思う。

 

私は外に出て、しゃがんで手を出した。彼女は、すっと寄って来て、尻尾を押さえさせて、後ろ向きで背中を撫でさせた。何度も撫でてから、チュールを取って来ると、彼女は、木戸の方へ歩き出した。呼ぶと、木戸の手前で止まった。で、チュールを見せて、「舐めな」と言った。が、彼女は、びくとも動かなかった。まあ、いいかと思い、私はガラス戸の中に戻った。

 

数秒して、彼女を見たら、ひげに付いたよだれが、1本になってひげから垂れていた。それは、つーてん、つーてん、つーてん、つーてん、つーてん、というような、小さな水晶のネックレスのようになって、光っていた。

 

よだれ、されど、よだれ、という感じで、その様にびっくりしてしまった。作為のない、天然の芸術だと思った。流石の彼女だった。

 

 

10時20分頃

 

コーヒーを乗っでいて、木戸を見たら、彼女が敷居の上に横向きで座って居た。よだれは垂れていなかったが、どことなく、老けた雰囲気で、侘しさを漂わせていた。

 

 

今日の彼女は、ほとんど食さなかった。心配だ。