5月28日 火曜日
8時・・23.5℃ 3時・・26.7℃
8時30分頃
・階段の 柱の南 黒猫の 座りし横に 雨だれポタリ
・セメントの 各石の上 黒猫は 丸く四つ這い 薄目で見てる
ガラス戸を開けても、彼女は、寄って来なかった。私が、後ろ向きに踏み石に下りると、さっと来て、私のくるぶしを擦った。そして、尻尾を垂らして、靴棚の下に行って潜った。またか、と思いながら、私は、餌ボールにチュールを半分位出して、彼女の前に持って行った。彼女は直ぐには食しなかった。私が、
「食べな。」
と言うと、しばらくしてから、おもむろに舐め出し、ほぼ完食した。
12時5分頃
・ドア開けて 下を見たれば 黒猫は 四つ這いになり 見上げて居たる
・声かける 間も待たずして 黒猫は 直ぐ小走りし 靴棚潜り
直ぐに移動して靴棚の下に行くのは、初めてのことだった。私は、しょうがないなと思ったが、餌ボールにチュールを半分位入れて、持って行った。彼女は、少し見てから、おもむろに舐め出した。
12時20分頃
スーパーのシュウマイが入って居た、折蓋の透明箱型のプラ容器を開いて外に投げたら、あいにく閉まってしまった。
あちゃあ、と思ったが、そのままにしてくと、少しして、彼女は、早速寄って来て、鼻で開けようとした。鼻先で何度か隙間をつついていたが開かなかった。と、彼女は、手でちょいちょいと突いた。が、開かなかった。そして、彼女は、諦めて餌ボールの近くに座った。
少しして、私は外に出て、その蓋を開いて餌場に置いた。すると、彼女は、直ぐに寄って、舐め出した。見た目には、なにも付いていないようなのだが、彼女には、匂いのある汁のようなのを感知されたのだろう。
4時頃
1週間前に発泡スチロールの小さい箱に蒔いた、ヒャクニチソウの双葉の幾つかが、軸だけになってしまっていた。む、これは、何かの虫が食べたのだなと思い、どうしたものかと見て居たら、私の後ろを少し離れて、黒い影がすり抜けて行った。む、彼女だなと思った。が、捨ておいた。
そうだ、野菜果物用の殺虫スプレーをかけようと思い付いて、靴棚のそばに取りに行くと、彼女が、潜って居た。
「から、くう。かあさんのこと、無視したね。駄目だよ。」
と言うと、彼女は、まん丸い目を右に左に泳がせた。文句を言われていることが分かっているのかと思った。そして、私は、殺虫スプレーを持って行って、ヒャクニチソウの土にかけた。
4時10分頃
急に雨が降って来た。青梗菜を洗ったとき取った枯れ葉を、道の南東ごみ穴に捨てに行って戻ると、彼女は、そこに居なかった。さては、と思い、物置の棚を見に行くと、案の定、彼女は、下の棚の大ざるの上に丸まって居た。よくよく見ないと分からなかったが、彼女は目を開けてこちらを見ていた。薄暗い所で、開いているのかいないのか、黒っぽい分からないような塩梅だった。
「くう、いいなあ。そこに居な。」
と言ったが、彼女は、うう、とも、すう、とも言わなかった。
むむ、可愛くないな思いつつ、私は部屋に戻った。
甘えたりすかしたり、極端な彼女だ。