朝夕はめっきり秋らしくなってきた今日この頃。
でも昼間は暑いし、起きるのがお昼前なもんで
あつくて寝汗かきかき目が覚める。
先週の日曜日。
久々に京都・嵯峨へ.
間接的な知人が 開いているギャラリーを覗きに。
そして敬老の日に会いに行けなかった祖父母に会いに。
見に行ったギャラリーは「民家アートスペース・いい樹なもんだ
」
嵯峨駅のすぐ近くにあり、宮大工が建てた「あかり庵」という民家で、
住人の黒田茂樹さんがギャラリーとして、またアートスペースとして
回廊された。
この黒田さんという方は、南米・東南アジアを中心に旅をする写真家であると同時に、
自らの書風を「楽書(らくがき)」と呼ぶ書家でもあり、
これまで全国各地で写真展・楽書展を開かれていたようだ。
今回、縁あってこの方のギャラリーにお邪魔し、ゆっくり話もさせて頂いた。
・・・・・・・ かっこえぇ。。 ・・・・
オトコマエとかそーゆーのとはちょっと違う、年を重ねた男の雰囲気みたいなのが。
後悔はしてないけど、なんとなく既に敷かれているレールの上を歩んできたっぽい
これまでの自分の人生の中からは到底生み出されないような雰囲気。
ふと、将来こんなおじさんになりたいなぁ。。と思う自分がいた。
・・・・・・・・・・・
でも自分も、黒田さんのやってきたことと同じように旅をして・・・じゃなくて
自分の決めた道をしっかり歩きながら、仕事や趣味、日々の生活、将来の家庭の中から
そんな雰囲気をかもし出せるような人間になりたいと思った。
具体的には。。。。??
いや、これからこれから。
で、肝心のギャラリーはというと、こっちも雰囲気抜群。
まず宮大工が作ったこの民家。
古いものの、民家としては贅沢で凝った作りになっていた。
大きな庭と、けっこう奥まである広い家。
和室にある床の間も部屋によって1つ1つ微妙に異なっており、
この家を建てた宮大工のこだわりが感じられた。
そんな素敵な町屋の中に、黒田さんの写真や書、落款、アジアの民族雑貨などが展示されていて、
京都とアジア、そしてアートフルな雰囲気が絶妙に混ざり合った不思議と安らぐ空間がそこにあった。
特に気に入ったのは、黒田さんの楽書で作る名刺と、
イベントで展示されていた中村欣司さんという方の絵画。
名刺は和紙に楽書がされてたもので、個人的には思わず会社などの
公的なところでも使いたくなるようなあたたかみのあるものだった。
中村さんの絵は1本の面相筆のみで書かれた風景画。と言ってしまえばそれまでだが、
色使いや、線の細かさ・緻密さ、全体の持つ雰囲気がすごく気に入った。
ウチ下宿の厠にポストカードを飾るので、よかったらウチで用を足したときにでも見てください。
あとは縁側で庭を見ながら、そしてあったかい珈琲を飲みながら、
黒田さんのこれまでの話を聞いたりしてまったりと過ごさせてもらった。
なかなかいい過ごし方ができた時間だった。
また関西にいるうちに来てみよう。
一方、祖父母。
ウチの祖母はお寺(特に知恩院)が大好きで、ほぼ毎日のように通っている。
寺で何をそんなに毎日することがあるのか、みんな不思議に思っている。
住職じゃないんやから。
そんな祖母なもんで、5日ほど前から
「日曜行くしな!家おってや!」
と、念を押したにも関わらず、
「その日知恩院さん行くねん。でも4時くらいには帰ってくるわー。」
と言い残してやはり知恩院へ。
その間祖父はずっと昼寝 or 散歩。
当日は祖父の大好きな6Pチーズを携えて、5時くらいに家に顔を出したものの、
やはりそこには昼寝中の祖父がいるだけ。
「おばあちゃんは?」
「知らん。」
「まだ帰ってないん?」
「あっこ、ほれ。あのー、あっこや。あれ行ってるから。」
「あー知恩院ね。」
「そやそや」
みたいな話をしているうちに帰ってくるやろうと思って、
5時過ぎからずっと祖父の話を楽しく聞いていた。
祖父はまだまだ頭も体も活発だが、最近は時間を置いてずっと同じことを言っている。
でも自分も祖父の笑顔を見るのが好きなので、
「いや、それさっきもゆったし!」
「なんや、ゆったか」
とか言いながら楽しく会話している。
家族と大勢で行かなかったこともあって、今回はあまり今まで聞いたことがない話もしてくれたが、
やっぱり最後は
「お前も、家族のみんなも健康でいてくれてほんまに嬉しい。
それだけでワシは十分。」
と目に涙をうっすら浮かべながら言っていた。
祖父は、「何をやるにしてもまずやっぱり健康でないといかん」と
昔からずっと言っている。
戦争なども含めて、昔、今の贅沢な暮らしに慣れてしまった自分たちが簡単には想像もできないような
苦しいことを色々経験している祖父だから、余計にそんな思いが強いのだろう。
最近なかなか祖父母の家はおろか、実家にも帰っていなかったので、
東京に行く前にもっと祖父母、両親なんかとも色々話をしておこうと改めて思った。
で、ふと時計を見ると6時半過ぎ。
祖母未だ帰らず。
敬老の日にもらったというケイタイも家の電話の横。
留守の家電の横に携帯電話・・・
祖母のやりそうなことだとおかしく思いながら、祖父母の家をあとにした。
ギャラリーと祖父の話。
うん、秋の初めのなかなか素敵な日曜だった。
じいちゃん、また顔出しに行くよ。