※ネタバレしていますので、未視聴の方はご注意ください。
※あらすじ&劇中会話を訳したものです。私の個人的解釈による意訳です。
まだまだ勉強中につき誤訳もあると思いますので、ご了承ください。
※前後の繋がりや細かい設定など端折っているため、不自然な文章になっているかと思いますが、ご了承下さい。


 

【人物紹介】
 
何主任(トニー・レオン)
汪兆銘政権の政治保衛部 主任、配下には王隊長、叶秘書がいる。
いつも苦笑いを浮かべ温和で優しい表情をしているが、革命成功への道を切り開いた先人である。

叶秘書(王一博)※
汪兆銘政権の政治保衛部 秘書、日本語が堪能で王隊長と親交があり、1937年以前に方嬢と婚約する。
裏切り者を演じ、全てを捨てて革命の道を完走した。

陳嬢(周迅)
上海の共産党地下組織連絡員、同じく共産党地下組織の機密工作員である張氏と貝当路に住み、5年間夫婦のふりをしている。

張氏(黄磊)
上海の共産党地下組織機密担当官、陳嬢の夫を演じている。

王隊長(王传君)
汪兆銘政権の政治保衛部 隊長、何主任の部下で叶と親しい。

渡部(森博之)
日本軍将校、上海駐在の特務長官、石原莞爾を支持していることから満州に執着していた。

唐部長(董成鹏)
汪兆銘政権の政治保衛部 部長、何主任の従兄弟で南京に拠点を置く。

江小嬢(江疏影)
国民党工作員、唐部長暗殺に失敗し何に逮捕される。

方嬢(张婧仪)
叶の婚約者、労働者の世界を築くという理想を持ち、改革派の青年団と共に日本人暗殺を実行する。

※王一博が演じた叶秘書は、汪政権の諜報部員として活躍した汪錦元がモデルになっている。
少年時代に父親が早世したため、母の手で日本に送られ、1929年に母と共に上海に戻った。
1938年初め、汪锦元はその日本語能力を生かし、汪政権の秘書兼日本語通訳になった。
 
【相関図】
 

电影《无名》HiddenBlade あらすじ1/2

1937年、盧溝橋事件が勃発。
本格的な抗日戦争が始まり、広州は日本軍の手に落ちる。
何(フー)は防空壕から日本軍の爆撃を目の当たりにし、街も人もひどい有様だった。

1939年、上海に汪政権の特殊工作部隊76号が発足すると、何は唐(タン)部長と共に76号に入隊する。
何は尋問官として働いていたが、彼の正体は共産党地下組織 上海情報局の工作員で
配下には叶(イェ)秘書と王(ワン)隊長という2人の部下がいた。

ある日の朝、王と叶が朝食を囲んでいる。
王は利己主義者で、自分の欲望が人生の第一優先という人物らしく、
日本人兵が女性を襲い、一家4人を殺したと聞いても同胞に同情することはない。

一方、何は上海に住む張(チャン)氏を訪ねていた。
張は同じく共産党地下組織の連絡員である陳(チェン)嬢と貝当路に住み、5年間夫婦のふりをしていた。
2人は偽装夫婦として同居しているが、陳嬢の本当の夫は何である。

その夜、日本軍将校の渡部と何、唐の3人が日本料理店で会食をしていた。
自称、石原派の渡部は盧溝橋事件は理解できないと近衛内閣を皮肉った発言をした上に、
ドイツはイギリスを攻撃すると見せかけて、実はソ連を攻撃しようとしていると口を滑らせる。
つまりそれは関東軍はソ連を東西から攻め入ることができると示唆しているのだった。

何はいつも通りケーキ屋に向かい、渡部が語ったことを漏れなく陳嬢に伝えた。
情報を伝える手段としてケーキを買い、箱の中にメモを入れてロッカーに投函する。
メモを読んだ陳嬢はそれを燃やし、実行の手配や決定を行う張氏に概要を伝えるのである。

5年が経ち、何は唐部長暗殺に失敗した国民党の工作員 江(ジャン)嬢を尋問していた。
一通り尋問を終えると、母親からの差し入れだと言って風呂敷包みの菓子折りを渡し、
箱を受け取った江嬢は中に何かを忍ばせて何に戻した。
そして江嬢を処刑せよという汪主席の勅命を受け、何が実行する。

1941年、日本が真珠湾を攻撃。
太平洋戦争が始まった当時、日本軍は英仏の租界に駐屯していた。

その当時、叶の婚約者、方(ファン)嬢は日本人が集まるバーへ頻繁に出入りしていた。
その身分ゆえに少し離れたところから密かにお互いを観察することが多かったが、
叶は方嬢が時折、日本人に言い寄っていることに気づく。
彼女は日本人を暗がりに誘い出しては暗殺していたのだった。

1944年11月、汪兆銘の病死によって政権の崩壊が迫り、特殊部隊76号は解体の危機に直面する。
そんな折りに上海駐在の広東軍小部隊は夕食を囲み楽しんでいた。
その内の1人、大山はウイスキーを取り出し、上機嫌で自分は華族であることをほのめかす。
訓練のために軍に入隊したが、 もうすぐ家業を継ぐため仲間に別れを告げて帰国するという。

そこへ武器を積んだトラックが現れ小部隊は全滅する。
実は江嬢が処刑される前に、上海駐在の要人リストを菓子折りの箱に忍ばせて何に渡していたのだった。

翌朝早く、知らせを受けた王と叶が事件現場へ向かい、遺体を調べてみると大山公爵であると判明した。
公爵の死は日中和平交渉の失敗に直結し「切腹するしかない」と言い出した渡部を、本当に切腹する者は自ら言わないものだと唐部長が嘲笑う。

日本軍は報復戦として共産党の地下要塞を急襲するが、渡部は現場に向かわなかった王に不信感を抱く。
叶「今日は父親の誕生日だと聞きました」
日頃、叶は渡部と二人きりの時にだけ流暢な日本語を使っていた。
叶が王を擁護しても渡部は信じようとしない。
渡部は既に王と何を疑い始めていたが、叶のことだけは信頼していると表明していた。
叶「僕にはそんな価値はありません」

この雨の夜に、多くの人の運命が一変する。