協和発酵キリン(株)の冊子より引用←病院化学療法室においてあった。
感染症になるとどんな症状がでるの?
寒気 発熱 咳や淡 腹痛、下痢、吐き気
・喉の痛み、鼻水
・吹き出物、皮膚のはれ
・歯茎の痛み、口内炎
・排尿時の痛み、頻尿、残尿感
・肛門の痛み、痔の悪化
・おりもの増加(女性の方)、性器からの出血、陰部のかゆみ
など
感染症の症状はこれらだけとはかぎりません。体の不調、異常を感じたら、医療機関に連絡をしてください。
注意! このような症状は、好中球が病原体と戦っているサインでもあります。
しかし好中球が減り病原体と戦えなくなると感染症の症状があらわれないこともあります。
体調の変化には十分ご注意ください。
感染症であった場合には、抗菌薬、抗ウイルス薬、抗真禁薬などで治療を行います。
日常生活で気を付けることは?(感染症の予防、早期発見のために)
・からだの抵抗力を保つ
好中球が減少し病原体への抵抗力が落ちている時期には、体力を落とさない工夫が必要です。
充分な休息と睡眠、栄養補給を心がけてください。
・病原体との接触を避ける。
病原体と接触しないように工夫することで、感染症から身を守ることができます。
人ごみや風邪をひいている人などとの接触をさけ、手洗い、うがいを徹底してください。
・感染を起こしにくい生活環境をつくる。
抵抗力が落ちているときには、ふだん意識していないちょっとした行動が感染症の原因になります。
普段よりも清潔を保つように気を付け、歯磨きなど口腔のケアもしっかりと行ってください。
また、思わぬケガにも気を付けましょう。
・体温を毎日はかる。
感染症を早期に発見するためには、体調のセルフチェックも重要です。
体温を毎日はかり、発熱がないか定期的に確認してください。
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好中球とは?
好中球とは白血球の仲間です。
血液は「血漿と(けっしょう)」という液体成分と「血球」という細胞成分に分けられます。
血球には白血球・赤血球・血小板があり、白血球はさらに好中球、単球、リンパ球などに分類されます。
このうち、好中球は白血球の約半分を占め、体の外から侵入してくる病原体(細菌や真菌)と戦います。
発熱性好中球減少症とは?
好中球の数が500個/μL未満、あるいは1000個/μL近くあっても48時間以内に500個/μL未満に下がると予想される状態で、腋窩体温で37.5℃以上の発熱があらわれることを言います。これは思い感染症につながる可能性があるため、できるだけ予防することが大切です。
いつごろ起こりやすいの?
抗癌剤薬の種類によりますが、抗がん剤投与後に好中球の数がもっとも少なくなる7~14日目に発症しやすくなります。
好中球は、抗がん剤投与後に少なくなり、その後次第に回復します。
好中球が少ないほど、またその期間が長くなるほど、発熱性好中球減少症にかかりやすくなります。
発熱性好中球減少症の発症を抑えるためには?
あらかじめ好中球を増やすお薬(G-CSF製剤)を使うことで、発熱性好中球減少症の発症を抑えることができます。
G-CSFは脊髄などで好中球のもとになる細胞を刺激して好中球を増やし、好中球の働きを強めます。好中球減少時に連日注射する製剤と、抗がん剤投与後に1回だけ注射する持続性製剤(ジーラスタ)があります。
ジーラスタってどんなお薬?
作用時間が長く、抗がん剤治療1サイクルに1回の投与で好中球の減少を抑える薬です。
抗癌剤投与終了後、24時間以降3日後くらいまでに1回投与(1サイクルに1回の投与です)