花の香(か)を
風は包んで
薫(か)と届く

もうすぐ終わる
薫風
五月
皐月空

空の蒼
風が揺らす
薫風よ

六月
水無月
雨の香(か)
風溶け
水薫(みなか)が流る

雑踏に
佇む人の香(か)
風に乗り

愛しい人に触れて
薫(か)へとなる

香(か)触れ合うは
他生の縁(えにし)

香(か)
我が身を吹き抜けて
香(か)の主
探す

今生
香(か)の主
見つからなけれど

他生で薫(か)が
気付かせる

五月
皐月
薫風は

次の季節を
連れて来る

他生の縁(えにし)
結び付く