看護師さんと患者さんの家族に協力をお願いして…
(患者さんは意識がない)
体位変換の一部を紹介します。
この病院に配属されたボランティア、私で3人目。
めずらしいケースですが、3人がそろった時期が
わずかにあります。
自分がまだ配属されたばかりの時期、先にいた2人の
ボランティアは、全看護師対象に体位変換と褥瘡のケアについて
セミナーを開きました。
実技を取り入れたセミナーで、すごく分かりやすかったし、
みんなの反応も良かった。
そのセミナーからはや1年半年。
その後の経過が知りたいと先輩隊員より依頼があり、
今回、みんなに協力してもらい写真撮影。
言えば体位変換するのですが、言わなければ自分で動けない
患者さんはずっと同一体位で寝かされています。
こんな感じで。
何を問題としているのかお察しいただけたでしょうか…
だから、褥瘡や肺炎、その他もろもろの合併症は必発。
疾患そのものより、合併症が悪化して命を落とすケースが
実に多いです。
ドクターはよく「日本でもこんな重症の患者さんはいるのか?」
と聞いてきます。
そりゃー、もちろんいますとも。
「でもこちらに来て感じることは、疾患そのものよりも合併症で
命を落とす人が多すぎます」
それを伝えたら、ドクターもものすごく納得。
その違いはやっぱり患者さんへのケアだと思います。
治療も日本とはちょっと違うけど、看護ケアで防げる合併症は
たくさんあります。
それを日々伝えてはいるものの、なかなか浸透はしないです。
そして、何も注意せず、いま自分たちが思う体位変換をしてほしい
と言って撮影したものがこちら。
・良いところ。
重い患者さんの下にシーツをはさみ、それで持ち上げるところ。
・惜しいところ。
持ち上げが足らず、ずれが生じていること。
できればもう少しマンパワーが欲しい…
・惜しいところ
大きな関節を保持して持ち上げず、これまたずれが生じている。
・良いところ
シーツのしわを伸ばしている。
・惜しいところ
気管カニューレなどルート類を誰も見ていない。
オムツを開かず、便の有無、褥瘡の状態を見ていない。
足が重なって圧がかからないように枕で調節している。
・惜しいところ
・良いところ
枕で頭部の位置を調節している。
・惜しいことろ
この患者さんは耳にも褥瘡ができているが、また同じ部位の
圧迫が生じている。
頭蓋骨の一部を外しているが、その部位への圧迫も…
とまぁ、こんな感じです。
右の看護師はセミナーに出ていない看護師。
左の看護師はセミナーに出ていた看護師。
でも。
思ったよりもできているお2人さんだった。
もっとひどいの想像していたから…
右の看護師は、ICUの看護師のなかでも、比較的患者さんの
ことを見ているほう。
まえーーーのブログでも、この看護師について触れたことが
あります。
だから、患者さんを覗きに行くと、この看護師自ら「体の向き変え
よう」と誘ってくれる。
そして、「自分が仕事のときはちゃんと看てあげれるけど、
夜勤で誰も看ないから、褥瘡が良くならない。夜勤は13時間。
その夜勤の間、誰も向きを変えないから…」と嘆く。
あなたの嘆きはよく分かる…
まずは言わなきゃ誰もしないというところ、そして、日頃の
体位変換は看護助手のおばちゃんたちがしていて、看護師は
ノータッチってこと。
この大きな問題をどう指導していくのか…
いや、しつこく見せて、しつこく言うしかないなぁ。
散々見せてきた効果が少しあって、ドクターたちが援護してくれる
ので、望むことは、それを引き続きドクターから看護師たちに
しつこく言い続けてくれること。
にしても、おばちゃんたちは強敵だ…