乙一さんのZooを読んだ。






家の本棚にあったのを出かける前にさっと取って読み始めただけだから、
どんな作家なのかジャンルなども全く知らなかった。

読み進めるうちにミステリ作家なのは分かった。


印象としては、「世にも奇妙な物語」の小説なイメージ
Zooは短編集なのだけどの、共通するテーマがあった。

それは「死」

そして、いずれの話しも主人公の身近な人、家族だとか恋人周りの話しが多い。


ミステリーで死を扱うということで、結構残酷で陰湿なストーリーも多かった。
実際、他の人のレビューを見てると
暗いからいや。みたいな趣旨のものも見受けられた。


でも、個人的には全くそんな印象はうけなかった。
むしろ安心感みたいなのがあった。

たぶん、それは自分の中で納得できるものがあったからだと思う。
ハッピーで終わらない話もあったが、
それは反面教師な捉え方をしていたので、読み終わったあとはさっぱりしていた。



色々、短編ごとの並べ方とか、言いたい事あるんだけど、
結局乙一さんがこの小説で言いたい事は「陽だまりの詩」
でまとめられる気がした。

「自分が死ぬときのことを考えた。それはただの停止ではなかった。この世界すべてとの別れであり私自身との別れでもあった。どんなに何かを好きになっても必ずそうなる。だから『死』は恐ろしくて悲しい。」

「愛すれば愛するほど死の意味は重くなり喪失感は深くなる。愛と死は別のものではなく同じ物の表と裏だった。」

「『でも、今、私は感謝しています。もしもこの世界に誕生していなければ、丘に広がる草原を見ることはなかった。心が組み込まれていなければ、鳥の巣を眺めて楽しむことも、コーヒーの苦さに顔をしかめることもなかった。そのひとつひとつの世界の輝きに触れることは、どんなに価値のあることでしょう。そう考えると、私は、胸の奥が悲しみで血を流すことさえ、生きているというかけがえのない証拠に思えるのです・・・』」