母さん。

 


今日は、襲名という言葉について考えたいと思います。

 

襲名?

 

そんな野蛮な言葉。

 

と思ったアルプススタンドの父兄の方、ご安心ください。

 


今や、襲名は師匠の名前を継ぐときに使われる言葉で、昔のように暴力的な言葉ではなくなったのです。

 


現在では夏の季語としてすっかり定着し、多くの歌人が行き詰まったときに使っています。

 


実際に、外国人がお土産に買う漢字Tシャツランキングでは、

 

1位 定着

2位 部分

3位 連続

4位 襲名

5位 状況

 

となっており、不動の1位、定着には及びませんが、いずれ劣らぬ強烈な個性がある言葉たちの中で4位と健闘しています。

 

 

 

この襲名という言葉、漢字だけを見ると名前を襲うと書くので、初めて耳にする方には少し怖がられる傾向にありますが、実際に使ってみると、思ってたより温厚でまた使ってみたいという声が多く寄せられています。

 

 


それにしてもやはり疑問なのは、なぜ名前を継ぐときに襲名という言葉が使われるようになったかということ

ではないでしょうか。

 

早速、揚げ物の途中で調べてみました。

 

驚きました。

 

 

昔は、襲名というと、立派な道路交通法違反だったみたいです。

 

点数としては2点マイナスで、日本で初めてこの違反をしたのがなんとあの伊藤博文さんと書いてあります。

 

しかも、伊藤氏は、一年の間に襲名だけで3回連続で違反をしてしまい、免停になった過去もあります。

 

当時の新聞には、「本当にすみません。早生まれなもので。」

 

という伊藤氏のコメントが載っています。

 


そんな、伊藤氏に感銘を受けた人物がいました。

 

イタリアからやってきた交換留学生のジュゼッペ君です。

 

ジュゼッペ君は小さいころに写真で見た日本の富士山をぜひ実際に見てみたいと思い、日本にやって来ました。

 

目の前に悠然とそびえる富士山を想像しながら船に揺られ、1ヶ月かけて浦賀沖に着いたジュゼッペ君。


到着するや、すぐに富士山に向けて歩き出します。

 

歩くこと10分。

 

なんと少しだけ見えちゃいました。

 

富士山が。

 

確かに富士山です。

 

しかし、心からの感動がありません。

 

まだ遠いのです。小さいのです。

 

ジュゼッペ君は、再び富士山に向けて歩き出しました。

 

だんだん大きくなる富士山。

 

興奮しません。確かに富士山はだんだん大きくなってるのですが、ずっと見ながら歩いてきたジュゼッペ君には、大きくなった感覚が全くありません。

 

ついに目の前まで来ました。本で見たままの雄大な富士山が目の前にあります。

 

もちろん興奮しません。いかんせん見すぎてしまったのです。

 

ジュゼッペ君は、このままでは帰れないと、興奮剤を打ちました。

 

すると、みるみるうちに富士山が大きくなり、風船のように膨らみついには破裂しました。

 

破裂した富士山の中から、優香、奈々緒、小雪、瑛太、ミムラと芸名が名前だけの有名人が続々出てきました。

 

ジュゼッペ君は芸名を名前だけにするメリットとデメリットをレポートに書き続けました。

 

もう何時間経ったのだろう。

 

そう思った頃に、後ろから「豚肉から油が出るから油はいらないよ。」

 

と声をかけられました。

 

その人物こそが伊藤博文氏だったのです。

 


ジュゼッペ君は自分を救ってくれた伊藤氏に深く感銘を受け、名前を博文に変えることを決心します。

 

そして、それに感銘を受けた伊藤氏も名前をジュゼッペに変えることを決意します。

 

この時の二人のやりとりが、中国の故事にある、一人が名前を博文からジュゼッペに、もう一人が名前をジュゼッペから博文に変える「襲名」という話にそっくりだったことから、名前を継ぐときに襲名という言葉が使われるようになったようです。

 


その後、伊藤氏はすぐに名前を博文に戻し、ジュゼッペ君は祖国に戻りピッチ上の監督として活躍したそうです。