
これまで胸にしまっていた
エピソードを聴かせてもらいました。
太一が亡くなって、まだ間もない頃のこと。
太一は自分の部屋の床にちょこんと座り、楽しそうに本を読み始めました。
夫は驚きと嬉しさで胸がいっぱいになり、
「太一‼️ お前、生きとったんかぁ‼️」
と、夢中で声をかけたそうです。
最高のキラキラ笑顔で、ニコニコと
ただ笑っていました。
「太一!散らかしっぱなし!
片付けなさい!」
生前、クリニックから帰ってきた太一は
居間に自分の荷物をよく散らかしっぱなしにしていました。
夢の中の太一は、私の小言をいつものように楽しそうに無視して、ただ本を読み続けています。
それは、闘病の苦しさをすべて忘れるような、我が家の、いちばん愛おしい
「いつもの日常」のひとコマでした。
ふと横を見ると……
「太一ドール」が、
なぜか、夫の方をじっと向いて
優しく微笑んでいたのです。
「お父さん、夢じゃないよ。
オレは本当に、ここに帰ってきてるんだよ亅
そう言わんばかりの太一ドールの視線に、夫は布団の中で、声をあげて泣いたと言います。
悲しいお別れだったかもしれないけれど、太一が遺してくれたものは、
こんなにも温かい光と、家族の絆。
お父さんの夢に出てきてくれて、ありがとう。
お人形に入って、お父さんを慰めてくれて、ありがとう。
私たちはこれからも、太一の残した光を抱いて、「またね」のその日まで
一歩ずつ、笑顔で歩んでいきます✨