さらに、夫からもうひとつ、

これまで胸にしまっていた


太一の切なくも愛おしい「夢」の

エピソードを聴かせてもらいました。


太一が亡くなって、まだ間もない頃のこと。


夫の夢に突然、まばゆい「白い上下の衣装」を着た太一が現れたのだそうです。


その姿は、親族が玄関先で見た白い服や、夫が目撃した白い煙と、完全に一致していました。

太一は自分の部屋の床にちょこんと座り、楽しそうに本を読み始めました。

夫は驚きと嬉しさで胸がいっぱいになり、


「太一‼️ お前、生きとったんかぁ‼️」

と、夢中で声をかけたそうです。


すると太一は、あの人を惹きつける
最高のキラキラ笑顔で、ニコニコと

ただ笑っていました。


その時、一階の居間から、私のいつもの元気な声が響いてきました。


「太一!散らかしっぱなし!

片付けなさい!」


生前、クリニックから帰ってきた太一は

居間に自分の荷物をよく散らかしっぱなしにしていました。


夢の中の太一は、私の小言をいつものように楽しそうに無視して、ただ本を読み続けています。


それは、闘病の苦しさをすべて忘れるような、我が家の、いちばん愛おしい

「いつもの日常」のひとコマでした。


ハッと夫が目を覚ましたとき、そこは現在の、私たちの寝室(生前の太一の部屋)でした。


涙があふれて止まらない夫が、

ふと横を見ると……


いつもは仰向けで寝かせているはずの

「太一ドール」が、


なぜか、夫の方をじっと向いて

優しく微笑んでいたのです。


「お父さん、夢じゃないよ。

オレは本当に、ここに帰ってきてるんだよ亅


そう言わんばかりの太一ドールの視線に、夫は布団の中で、声をあげて泣いたと言います。


悲しいお別れだったかもしれないけれど、太一が遺してくれたものは、

こんなにも温かい光と、家族の絆。


お父さんの夢に出てきてくれて、ありがとう。


お人形に入って、お父さんを慰めてくれて、ありがとう。


私たちはこれからも、太一の残した光を抱いて、「またね」のその日まで


一歩ずつ、笑顔で歩んでいきます✨