二つの選択


 さて前回の続きでM&Aをされた会社の従業員に残された選択肢は2つ。


①現職に留まる。

②他の企業へ転職する。


 この2つしかありません。

さて、それではこの二つの選択肢について今後どのような将来が予想されるか当方が色々調べた情報やリアルに聞いた話から仮定します。

残念ながら現職についてこの仮定は大きく外れることはないでしょう。


①現職に留まるのが何も考えなくて済むので目先は一番楽です。

 

 それではオーナーが変わった会社がこれからどうなっていくのか説明していきます。

現職の待遇は中小企業にしたら珍しく大企業並のホワイトでした。

年間休日は土日祝日休みの125日、有給は年20日の持越40日。

残業は月20時間程度、年収は地元の公務員並でかなり良い方でした。

 これは前オーナーが本当に従業員の事を考え利益は最大限従業員の給与に還元していたからです。前オーナーは会社を拡大する必要が無い為内部留保や投資の為の資産を残す必要がない為出来た事です。今にして思えば本当に感謝しかありません。


 但し給与体系に不安点がありました。それは年収に占めるボーナスの分かり合いが高すぎた点。ボーナスの額だけで言えば大企業並でした。逆に毎月の基本給はかなり低くボーナスが無ければとても生活出来ません。普通は年間のボーナスは基本給の4ヶ月程度が一般的です。今までのボーナスを基本給ベースにすると有りえないような数値になってしまいます。

 この点がM&Aされた後の給与体型にかなりの不安を感じる従業員が大多数。当方もこの点にかなり危惧しました。

なぜなら、新オーナーは間違いなくここにテコ入れをしてきます。

雇い主は、従業員の基本給を下げることは難しいですがボーナスなら簡単に減らすことは出来ます。

 ようは今と同じ仕事内容と実績だど間違いなく年収は下がりるのが目に見えてます。


 今までは労働環境もかなりホワイトで残業時間が月20時間弱、年間休日が125日、有給休暇が年間20日付与されてました。

これが今後どうなるかわかりますか?

 新オーナーの会社は年間休日110日、有給10日、さらに残業時間は月平均20時間より長い。

これから買収された子会社がどの様な労働時間になるかは予想つきます。

 年間休日はオーナー会社に合わせるのが普通なので、まず月1日土曜日が出勤になるでしょう。

理由なしに土曜日を出勤にするだけでは社員への説明は難しいですが、毎月その日に会議や打ち合わせをすればよい言い訳となります。

そして、次は営業の目標を現在より数割あげる。

それを達成する為には仕事時間を増やすしかありません。

今の世の中残業しろと会社は表だっては言えませんが、目標予算が上がればそれを達成する方法は必然的に労働時間を増やすしかないわけで結局残業というなの長時間勤務をやるしか無いわけです。そして土日など休日も働くしかないわけです。予算達成には無理してでも仕事を取り続けるしかなく、大きな数字を上げるためには長期休みのGW、盆、正月にする案件をやるしかない訳です。これで、ほぼ長期連休に仕事をやるしかない体制になりそれがこれから仕事辞めるまで数十年間ずっと続くわけです。


 仮に年収が現状維持だとしても労働時間が増えれば実質賃金は減ります。この状態で働くのであれば年収1000万以上貰わないと割に合いませんし、もしそれだけもらえても今後長期休暇がとりづらくなれば何のために働いてるのかわからなくなります。

 

 長く働くためにはワークライフバランスが一番大切なのに今まではそれを維持できていたが、それを壊してでも従業員から利益を搾取し続けるのが経営者ですから。


 M&Aをやる様な経営者は、従業員の待遇や家族の将来など考えません。いかに自分の私腹を肥やしていくか。政治家と同じです。


 但しこの様な従業員にとってマイナスになる事を経営者は絶対にいいません。遅くとも2年以内にはこの様な雇用体制になってるでしょう。

 その時になって後悔してももう後の祭りです。

休みが少なく残業時間が増え、ノルマが増え売り上げ追求がどんどん辛くなっていく経営方針。


 これは我々従業員にとっては堪らないマイナスな事象でしかないですが、経営者の観点からしたら当たり前の事です。

いかにこの真実に早く気づき次の行動をとれるかはそれぞれ従業員一人一人の気持ちと考え方次第です。

 

 それではもう一つの選択肢転職を選んだらどうなるのでしょうか?