17日の東京株式市場で日経平均株価は3日続落した。終値は前日比509円安の3万7961円と安値引けとなり、2月14日以来2カ月ぶりに3万8000円を下回った。市場関係者が注目していたチャートの節目を下回り市場心理が弱気に傾いた。オランダの半導体製造装置大手ASMLホールディングの決算も下落に拍車をかけた。

日経平均は17日午前に一時3万8160円と、3月12日の取引時間中につけた安値(3万8271円)を割り込んだ。市場ではチャート上でほぼ「ダブルトップ」を形成しているとの見方もある。

 

ダブルトップとは、チャート上で株価の下落トレンド入りを示すサインとされる。直近の2つの高値がつくる「山」の間の安値を足元で下回る場合に指摘される。日経平均は3月7日の取引時間中に一つめの高値の山である4万0472円をつけた。その後、3月12日の場中に安値をつけ、3月22日に2つ目の高値の山である4万1087円まで上げた。

17日午前に3月12日の安値を下回ったことから、3万8000円を割り込み一段と水準を下げてもおかしくないと警戒が広がった。この安値は「ネックライン」と呼ばれる。

東海東京インテリジェンス・ラボの仙石誠シニアエクイティマーケットアナリストは「3月12日の安値近辺で踏みとどまっているものの、状況はあまりよくない。反発の材料になりうる日本企業の決算発表が本格化するまでは停滞感が続きやすい」とみる。

 

米国株式市場でもチャートが注目されている。S&P500種株価指数は15日、過去50日の株価平均で投資家の平均的な損益を示す50日移動平均を下回った。昨年9月に下回った際には、その後、11月まで移動平均が上値を抑えた経緯がある。すぐに50日移動平均を回復できなければ調整懸念が高まりかねない状況にある。

日経平均は午後に下げ幅を広げた。オランダの半導体製造装置メーカー、ASMLホールディングが日本時間14時に発表した24年1〜3月期決算が市場予想を下回ったことから値がさの半導体関連株が売られた。レーザーテックが8%安、アドバンテストが4%安、東京エレクトロンが1%安となった。

中東情勢はイスラエルによるイランへの報復の可能性があり、緊張が解けない。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は利下げへの難しさを語った。投資家の慎重姿勢が強まっている。