1日の東京株式市場で日経平均株価は上値の重い展開か。外国為替市場での円安・ドル高基調や新年度入りによる新規資金の流入期待を背景に買いが先行しそうだ。もっとも、前週末の米株式市場が休場で手掛かり難ともみられ、積極的に上値を追う雰囲気にはなりにくい。日経平均は前週末3月29日終値(4万0369円)を挟んだ4万0200円〜4万0600円での推移が予想される。

前週末3月29日は聖金曜日で米国の株式市場が休場だった。4月1日の東京市場では海外投資家の参加が限られるとの見方が多い。1ドル=151円台で推移する円安・ドル高水準は輸出関連を中心に引き続き支援材料となるが、ほかの売買材料に乏しいため、きょうは上値を試す流れにはなりにくい。

4月に入り、東京市場ではきょうから名実ともに新年度入りとなる。先週は機関投資家による3月期末の保有資産のリバランス(調整)とみられる売りなどが観測された。市場では新年度入りで大手金融機関などによる期初の益出し売りが出るとの観測がある半面、期末の需給イベント通過で新規の投資資金が入りやすくなるとの見方がある。

日本時間30日早朝の大阪取引所の夜間取引で日経平均先物6月物は上昇し、前日の清算値と比べ160円高い4万0550円で終えた。

個別では、東京電力ホールディングスに注目だ。2024年3月期の最終損益が2470億円の黒字(前期は1236億円の赤字)になりそうだと前週末3月29日に発表した。従来は予想を開示していなかった。資源安で電力販売の採算が改善した。

1日は日銀が8時50分に3月の全国企業短期経済観測調査(短観)を発表する。市場予想より景況感が良ければ株式相場の支援材料となりそうだ。

〔日経QUICKニュース(NQN) 鈴木孝太朗〕