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足の指先を反対側の足首へそっと触れさせると、意外なほど強い眠気が湧いてくると言う。

これは単純な「触れ方」の問題ではなく、身体の深いところで起きている神経反射と、姿勢制御システムの変化が重なって生まれる現象だとか。

 

とくに足指〜足首まわりには、迷走神経や脊髄反射を調整するための“静寂のスイッチ”がいくつも配置されており、足指を対側に軽く乗せた瞬間、骨盤の回旋が止まり、体幹の筋出力が自然と弱まり、交感神経のアクセルが抜ける。

 

身体は「動作が終了した」という信号を受け取り、休息モードへと入っていく。

 

もうひとつ大きいのが、左右差が解消されることで脳幹の姿勢制御系が静かになるという点。

通常、体は左右の重心バランスを絶えず調整しており、その制御は脳幹・小脳・前庭系が担っている。

 

足指を対側足首に触れさせると、骨盤・腰椎・胸郭の回旋が一時的に固定され、微細な補正運動が不要になる。

補正運動が止まると、脳幹の覚醒系が緩み、意識は“緊張の見張り”を手放しはじめる。

車がエンジンをアイドリングに落とすように、脳のノイズが一段静かになる。

これが眠気の入り口になる。

 

さらに、足指には非常に繊細な触覚受容器があり、対側の足首に軽く触れることで「小さな閉鎖空間」が生まれ、これは幼児が手足を丸めて眠る姿勢と同じ心理・生理反応を誘発し、自律神経に安心感をもたらす。

身体は「外界から守られている」と認識し、心拍が落ち、深部の筋緊張が解けていく。こうして呼吸が静まり、脳波はゆっくりと睡眠方向へ傾く。

 

仰向けで軽い足交差を作り、「足指を軽く触れる程度のクロス」を数十秒キープするだけで、睡眠スイッチとして機能すると言う。

“触れるだけ”の微細な刺激の方が、自律神経の変化ははっきり出るとか。

 

寝つきの悪い人は、どうぞお試しあれ。

 

 

 

 

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