人間の動きは多くの場合、対角上で動いています。

例えば…
歩行動作時に、左腕が前にある時は右脚が前にあり、左腕が後ろにある時は右脚が後ろににあります。

これを背面の大きな筋肉で説明すると…

左腕が後ろにある時は左の広背筋を使い、それと同時に右脚は後ろにあるので右の大臀筋を使って歩いていることになります。
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この時それぞれの逆側の広背筋と大臀筋は伸びていて、あまり使われていません。

つまり、人間の動作が対角であると、その動作に必要な筋肉も対角上で反応(収縮や伸張)するのです。



また、バスケットボールのシュートの一連の動作の中で、

足裏で踏ん張ってから脚→体幹→腕→指先まで力を伝えながらシュートを放っていくように、

筋肉は単独で働くことはなく、たくさんの筋肉同士の連動連鎖によって働いています。

このような筋肉のつながりをキネマティックチェーンと呼びます。

この対角の動きとキネマティックチェーンを応用することによって、身体は上手に動いています。



調整での応用としては…こんな症例がありました…

20歳の男性が久しぶりの野球練習後、腰痛がでた、と訴えてきました。

腰痛で問題視されやすい筋肉は、大腰筋や腰方形筋です(腰椎に付着しているため)。
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筋反射チェックの結果、左の大腰筋が過緊張し、右の大腰筋は弱化していました。(同側の腰方形筋も同じ反応)

そこで、過緊張していた左の大腰筋をストレッチしたところ、左と右の大腰筋と腰方形筋の問題は解消しました。

しかし、この男性に立ち上がってもらった瞬間、再び腰痛がおきてしまい、左大腰筋過緊張と右大腰筋弱化が再発してしまいました。

対処が浅く、根本の原因に触れることができていなかったからです。

このときは結局、右のハムストリングスをストレッチしたところ、立ち上がって動いても問題は再発しませんでした。(他の対処方はいくらでも考えられます。)
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つまり、この時は左の大腰筋の過緊張よりも右斜め下(対角)にあるハムストリングスの過緊張の方が腰痛へのより優位な問題であったということです。

(※右ハムストリングスの過緊張が対角連動連鎖により左大腰筋の過緊張を生んでいたパターンです。)

腰が痛いからと言って腰にメジャーな問題があるとは限らないのです。

ここでは筋肉だけの観点から例を挙げていますが、腰痛の問題はとても多くの方がもっており、

一概に「これが問題だ」とは言い切れませんが、どこに問題が起きてもおかしくはない、ということをみなさんには是非理解していただきたいと思います。



身体は対角上に反応しやすく、キネマティックチェーン(連鎖連鎖)の上で成り立っています。

身体のつながりを感じながら日々の動作や問題点を見直してみると、とてもおもしろいです。



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