舞台 DULL-COLORED POP『アクアリウム』
DULL-COLORED POPはこの冬、東京での一ヶ月ロングラン+4都市ツアー公演を行います。
青山円形劇場での『完全版・人間社会』以来、約1年ぶりとなる劇団本公演です。
「子どもの頃の僕たちと、これからの僕たち」「1982年生まれという世代の感覚」を描きます。 「小さな頃から胸に引っかかり続けていた」という、子どもの見る世界と大人の見る世界の違い、特に「子どもにだけ見えていた世界」というモチーフの他に、もう一つ、同い年の猟奇殺人犯として世間を騒がせた酒鬼薔薇聖斗(ならびに1982年生まれの犯罪者たち)がモチーフとして選ばれました。
酒鬼薔薇聖斗、西鉄バスジャック事件、秋葉原連続通り魔事件などをはじめ、「キレる14歳」「キレる17歳」として騒がれた世代の心には、一体何があったのか?
そして今、同世代の若者たちは、世界をどう見てるのか?
──そんなことを、大きなアクアリウムの置かれたシェア・ハウスにおける群像劇として描きます。
東京では、シアター風姿花伝が今年から立ち上げた「プロミシング・カンパニー制度」の第1弾に選出され、
丸々1ヶ月・30ステージ超に渡るロングラン公演を決行。
その後、「FFAC PLUS+」セレクションに選抜され福岡ぽんプラザホール、
劇場提携公演として大阪in→dependent theatre 2nd、boxies Inc.招聘による仙台・演劇工房10-Box公演、
さらに天神山文化プラザによる招聘を受けて岡山公演と、5都市連続上演を行います。
DULL-COLORED POPがこの冬にお届けする渾身の一作です。お見逃しなきよう、よろしくお願い致します。
■ものがたり
“グラスフィッシュという魚がいて、透明なその魚を、アクアリウムに飼っているのね。
直射日光はダメだから、夕方、日が沈む直前の、一番赤い西日がさす頃に、すこしだけカーテンを開けてやる。
そうすると。水槽も、水も、グラスフィッシュも、淡いオレンジ色にきらきらする。
夜が来ると魚たちは、蛍光灯に照らされて、青白く止まっている。魚は、浮いたまま眠るの。”
とあるシェアハウス物件。男女数名、鳥とワニが一匹ずつ、組んずほぐれつ暮らしている。
部屋にはとても美しい、アクアリウムが置かれている。赤い西日に貫かれて、オレンジ色にきらきらと光っている。
今を生きる僕たち私たちは、何にのっとって生きていこう?
キレる14歳、あるいはキレる17歳、あるいはもっとストレートに酒鬼薔薇世代と呼ばれた僕が改めて問い直す、
「おれたち一体、何だっけ!?」ものがたり。
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