vol.2399
現在うちの会社には
見習いのインターンとして
10月から新人が来ている
彼は、今まで
1度ほどの転職をしてはいるが
ずっと安定していた
サラリーマン生活を送ってきていた
それが30も中盤になり
彼の中でなにかがスパークしたのか
それとも、今までいた会社から
必要ないと烙印を押されたのか・・・
その辺りの詳しいところは知らないが
安定という列車から
飛び降りたには違いない
彼も、サラリーマン時代に
沢山のフリーランスで
仕事をしている人達とふれ合う中で
自分もいつかは
ああいう風に
自由な服装で
仕事をしてみたい
そう感じたんだろう
そんな事を感じながら
自分でもできると思い
独立という道を選んだ
そこから数ヶ月が経ち
サラリーマン時代に描いていた
自由な自分像が
ドンドン音を立てて崩れていく
サラリーマンという枠の中では
稼ぐことができたが
何の枠もない
弱肉強食の中では
戦えるだけの
武器がない
武器がないから
食えるだけのお客がいない
それをここ数ヶ月で
痛感していたようじゃった
そこで、うちの会社に来ることになった
うちには、WEBのスペシャリティーもいる
イラレのスペシャリティーもいる
そしてなにより、仕事がある
だから、まずは
武器を持とう
ということで
うちのデザイナー達の元で
ただで勉強をさせてもらうという
インターンシップという形態を取ることになった
これはあくまでも
わしはノータッチ
武器も持たずに
この荒波に出てきた彼と
うちのデザイナーが
年も近いと言うこともあって
2人で話あって決めたことらしい
うちの経営理念が
関わるすべての人の
“人生が変わる!”
そのきっかけを与え続ける!
というのがあるので
今回のうちのスタッフの判断も
決して間違ってはいない
しかし彼も結婚もして
子供も2人もいる
ずっと、インターンだけでは
生活ができないので
月のうち半分くらいは
知り合いの現場仕事で
身体に汗をかいて
アルバイトをしている状態
サラリーマン時代に思い描いていた
スーツも着ないで
颯爽と自分の好きな仕事で
飯を食っている
そんなかっこいい自分は
どこにもいない
ただただ痛感しているのは
自分の考えが甘かった
と言うことだけ
そして
お金を稼ぐというのが
どんなに大変なことかを
痛感している
そんな彼も
10月末でインターン生活も
1ヶ月が経過した
まだまだ教わることばかりだし
1ヶ月と言っても
月の半分は
他でアルバイトをしている
そんな状態で
金がもらえるような技術が身につくほど
甘い世界でもない
そんな中
うちの会社では
毎月月末に
全員で食事会をするんじゃけど
今月は彼も連れていった
今月は十日市にある青葉という台湾料理店
そして、食事会中に
社員たちに給料を手渡しした。
うちの会社では
給料は手渡しをしている
最近の立派な会社のような
給料が自動で振り込まれ
明細はPDFになってメールで送られてくる
そんなデジタルなことはしたくない
やっぱりお金って言うのは
人の手から人の手へと
渡って初めて意味がある
そう感じているので
うちでは手渡しにしている
そして今月も
1人ひとりと握手を交わしながら
2,3小言も言いながら給料を渡した
そして最後に
インターンとして勉強に来ている彼にも
寸志じゃけど
お疲れさん代として
給料袋に入れて手渡した
すると、彼は
はなから自分には無いことも分かっていたので
えらいビックリする
サプライズじゃったようじゃ
わしが
「まぁ~うちの会社の
なんの役にも立ってないけど
まずは、お疲れさんじゃ」
って手渡すと
彼の受けとる手が震えている
そして、見ると
彼の目が真っ赤になって
今すぐにでもあふれ出そうな涙が
いっぱいたまっている
他のスタッフ達も
それを見てなにかを感じている
なんやこの
すがすがしい感動的な場面は
その封筒の中に入っている金額は
彼が今までサラリーマン時代にもらった金額と比べると
屁でもない金額かもしれん
でも
お金のありがたみ
これが分かってもらうと
感じ方も違うんじゃろう
「今まで、こんな感覚になったことがありませんでした・・・」
っと・・・
まだまだ戦力と言うより
お荷物になっていることの方が多い彼ですが
この涙は
きっと彼を大きくさせたに違いない
お金を稼ぐ
これがどれだけ大変なことで
しかも、それの積み重ねでできているか
ここを感じてくれたに違いない
なんか彼の涙を見て
わしもこの気持ちを
忘れちゃいけんわ~
って初心に戻してもらった!
皆さんも
給料は手渡しが良いですよ!
社員数が多かったら
給料渡すだけで
1日かかるかもしれんけど
社長から社員へと
手から手へと繋いでいった方が
良いと思いますよ!
ほんじゃまた