陰毛(いんもう、おんぼう、英: pubic hair)は、ヒトの陰部(生殖器)周辺に生えている毛である。別名としては、性毛、アンダーヘア、恥毛などがあるが、医学的には陰毛が統一用語である。一般的な俗称は男女を区別して、男性はチン毛、女性はマン毛と呼ぶ。
陰毛は、第二次性徴期における副腎皮質ホルモン(アンドロゲンなど)の分泌に従い思春期以降、男性は陰茎の増大(男性器のタナー段階III)から約1年後、女性は乳房のタナー段階IIIまたはIV(初経の1年前から3年後の間)に達した頃、また第二次性徴における身長の伸びのピークを迎えた頃から発生する(陰毛発現、pubarche)。女性は陰毛の発生より前に生じる乳房の成長開始(乳房のタナー段階IIで、ジュニアブラを着け始めるべき時期)で思春期に入った事に気づきやすいが、男性は男性器の成長開始(男性器のタナー段階II)時点で思春期に入った事に気づきにくく、身長の伸びのピークを迎えるか陰毛が発生(後述する陰毛のタナー段階Ⅱ)した時点で思春期に入った事に気づきやすい。
ほとんどの男性は男性器の成長のタナー段階IIIから約1年後に発毛する(発毛時、男性器のタナー段階は成長に個人差があるため、IIIのままかIV以降に成長しているかのどちらかとなる)が、女性は乳房の成長のタナー段階V(成人型、初経から3年後以降)になっても発毛が見られないか、僅かしか発毛しない無毛症(かわらけは俗称)(成長期を過ぎてもタナー段階 Ⅱ及びⅢのまま、Ⅳ及びⅤまで成長せずに終わってしまうこともある。)の人が僅かながら見られる。無毛症であってもホルモン剤によって発毛させる事や植毛も可能ではあるが、皮下脂肪型肥満や小児の肥満を含む肥満や視床下部性肥満(プラダーウィリー症候群)やターナー症候群等の性腺発育不全や放射線治療の被曝による副作用や脳腫瘍及び先天性等の癲癇の障害や抗てんかん薬の薬の副作用や思春期による、友人関係や家庭環境等のトラブルや受験等のストレスが原因でなければ健康上の心配はない。陰毛が男性は10歳未満、女性は8歳未満に発生すると、早発陰毛症または思春期早発症と診断される。