タイトルをつけるにあたって迷いがあった。明らかに勉強不足だ。

自分の感じている不快感、どんより曇り空のような情景が果たして

【いじめ】による心の傷 なのか

【ハラスメント】による心の傷 なのか

まったく問題ない、ただの心の動揺 なのか

わからない自分がいる。ただ、時間が経っても心が晴れない。嫌な記憶がフラッシュバックする。

 

わからないなりに考えて、ここで言う【いじめ】とは【理不尽な言葉の暴力】として定義したい。

 

いじめ という経験はあまり記憶にない。幼い頃、兄に泣かされたり軽い暴力をふるわれる、いわゆる【兄弟げんか】のようなものはあったが、学校で仲間外れにされたり、靴や道具を隠されたり、集団で暴力を振るわれたり、そんな経験はなかった。

 

今回大人になって、冷静に判断できる思考も持って、初めて【あ、これがいじめ?理不尽な暴力かもしれない】と感じたので、それを話したい。

 

大変だったステージが幕を閉じた。様々な想いもあり、思い切り不平不満を叫びたい気持ちもあるが、とりあえず終わった!週末が近付いたが稽古に行く必要はない。残る作業も、衣裳のクリーニングと返送だけだ。特殊な手作り衣裳だけに、総額いくら負担しなければいけないのか不安ではあるが。もう終わった。忘れよう、そして自由な週末を満喫しよう!

あえてハイな自分を作り出し、心に問いかけてみるが、返答がない。ここ数週間、どんより曇り空だった心をよく見てみると、表面から血が滲んでいる(ような気がする)。

なんだか腕が痛いな、と思って一日過ごして、夜に脱衣所で見てみたらケガをしていた、そんな記憶に似ている。

 

明確にどこでケガしたのか、わからないが、一度や二度ではない。言葉で叩かれたのは。

【死んでしまえ!】とか即ハラスメント認定されるような言葉ではなかった。

でも、理不尽を感じた。他の人には言わないのに、僕は怒鳴られた。被害妄想なのか?いや、でも、場当たりの時も。仕事終わり、遅れて合流したのだから挨拶するのは普通だと思った。むしろ挨拶もしないで合流する方が失礼だと思ったし、場当たりにも差し支えると思ったが、挨拶をしたら【そんなものはいらない】と怒鳴られた。数分後、後から合流した女性も挨拶したけど、ノーコメント。

ダンスの振り付けを誰よりも練習して、わからないところをサポートできるようにしようと思った。当初は賞賛されたが、グループラインで質問が出た際に【振り付けの先生に確認しろ】と指示が返ってきた。それ以降、振り付けの練習は質問があった時だけ、最小限に留めた。

怒鳴られたのは僕だけじゃない。芝居に関して、厳しいダメ出しを受けた共演者は他にもいる。人が泣く様を見せられるのは苦痛だった。氷のような沈黙、すすり泣く声。自分に向けられたものではないが、あれも血が滲む要因だったかもしれないと、今なら思える。

他の人に多いダメ出しは、【芝居に関すること】だったが、僕が怒鳴られる原因は【芝居以外のタイミング、挨拶】だったかも知れない。

自分が納得できるダメ出しなら、筋の通った叱責なら血が滲むまではいかなかったと思う。僕が感じたのは【なんで今怒鳴られたの?】【???】稽古の超スピードの中で気付かないうちに頭を叩かれた、そんな理不尽だった。

稽古後半、心を支配していたのは【稽古場に行きたくない】【怒られたくない】そんな負の感情。

 

不快を感じて、ただ我慢するのが大人じゃない。僕は1カ月ほど前に、直接本人に伝えたことがある。

とは言え、【言葉で殴らないで】とは言えず、【楽しめていない】という遠回しな言い方ではあったが。

【辛いと感じたのなら、逃げることもできたのに、逃げずに打ち明けてくれて嬉しい】という回答が来た。本音だと思うし、自分も遠回しにでも伝えられて良かった。

でも、【逃げることもできたのに】これは違う。本番1ヶ月前を切って、ここまで来て、自分のことだけを考えて行動できる?周りの人のこと、周りの迷惑、いろいろ考えたら我慢する選択しか取れなかったよ。座組に加わった当初とか、稽古2~3回目に怒鳴られて、理不尽を感じたら、当然辞めていたよ。【やばやばっ!ココは危ないところだ】って逃げ出していたよ?最初のニコニコ、徐々に変わり、後半の怒鳴り。アハ体験だろうか、いつの間にか景色が変わっていた。

 

結局、逃げ出す勇気もなく、我慢して嵐が過ぎ去るのを耐え忍んだ。

共演者たちとは互いの健闘を讃え合いたい。でも、あの人もいるから、僕は打ち上げの出席を辞退した。

その場では、言いたいことも言えないしね。

 

初めて感じた【理不尽な言葉の暴力】。パワーワードでなくても、強い口調で叩きつけられた言葉は、結構痛かった。そして怒鳴られる理由が分からず、痛みとモヤモヤが混ざって気持ち悪かった。

あれは【いじめ】だったのか?わからない。

今、気持ちを整理して、文章にすることで傷口は【かさぶた】になっていく気がする。過去のものになって、いつか剥がれ落ちて元通りの心に戻ると思う。

 

でも、あそこには近づかないでおこう。一つ学んだ。豊島区の危ないスポット。