日本時間で昨日の朝に生中継された試合で、ドジャース一筋18年の長きに渡りエースとしてチームを支え、一昨日の会見で今季限りでの引退を表明していたクレイトン・カーショーが、ホームスタジアムでレギュラーシーズン最後となる先発登板をした。

 球数のこともあり、5回のワンアウトを取ったところで降板した。彼はひと月ほど前に3000奪三振を達成したが、この最後のアウトも三振だった。マウンド上で守備についていたチームメイトが彼を取り囲み次々と抱擁をして労う。ベンチからもロバーツ監督が出て、交代を告げながら言葉を掛け、強く抱擁した。球場のファンは総立ちで、相手ベンチも全員拍手で彼を讃えていた。

 マウンドを降りてベンチに向かう彼を球場全体が歓声と拍手で迎え、彼は何度も帽子を取り声援に応えていた。その姿を見て更に大きな歓声が上がる。彼は帽子を持つ手を胸に当て、感極まって胸が詰まっている様に見えた。

 奥さんと4人の子供達もベンチ寄りの最前列で夫を、父を迎え、5人の方に眼を遣ったカーショーは、抱きしめる様な仕草をし、投げキッスをした。カメラに捉えられた奥さんも投げキッスを返し、何とも愛情深い可愛らしい場面を見せてくれた。


 これからも沢山の選手が引退をする。年齢で考えると、野手のロハスやフリーマンが順にその時を迎えるのかも知れない。大谷翔平君も山本由伸君もいずれはその時を迎える。


 野球漬けの毎日から突然何もない日々に放り込まれる感覚は、リタイアした僕でも味わった不思議なものだ。


 そこを乗り越えて、これからも続く長い人生を、ご家族と共に歩みながら有意義なものにして欲しいと心から思う。