今、テレビのチャンネルを回していて、NHKの教育テレビに目をとめた。洗濯ばさみがもう一個の洗濯ばさみが隠れているのを見つけて笑い合うと言う、コマ繋ぎの映像でのお話。子供の笑い声に思わず微笑んでしまう。
もう40年近く前になる。僕は背中の激痛に見舞われて病院へ行った。診断の結果は胆嚢炎だった。原因はストレス過多で食事療法のために2週間の入院が必要だった。会社に戻って引き継ぎをして翌日入院した。
入院中は食事以外はほとんど何もすることがない。結婚前だったが、妻がほぼ毎日見舞いに来てくれて、長時間居てくれた。会社の仲良しも何人か来てくれた。とは言え、入院は一日24時間である。やはり退屈だった。
本も読んだし、うとうともした。そのうとうとする時に役に立ってくれたのが教育テレビだった。子供の声や色々な世代向けの学習番組の先生の声、短い特集番組などなど、耳に届く声や音は優しく穏やかで可愛らしかった。ボリュームを下げて、内容が分からなくとも、その音だけを聞いた。落ち着けた。このストレスのない生活を続ける事で症状はみるみる改善した。
一週間が経ち、検査の結果もう退院しても大丈夫だがどうするかと問われ、予定通りの入院をお願いした。穏やかな時間に飢えていたと思う。
やはりストレスを減らすのは大切だ。
ゆっくりする時間を取って下さい。