人って不器用な生き物だとつくづく思ってしまう。仕事の流れや注意点を順を追って覚えていく事はなんとかできる。しかし、相手がいて感情が昂(たかぶ)ったりすると、咄嗟の反応が出てしまうことがよくある。いやいや、今日もやってしまった、反省しなきゃ、と思っても尚だ。
妻から、悩み事で相談を求められた時などは特にそうだ。付き合いが長ければ長いほど、自分の素が出てしまうのだろう。最も近い関係だからと頭の芯の部分で甘えているんだと思う。
僕は、相談されるとつい結論を言ってしまう。瞬間的に正しいとか良かれと思った事を断定的に伝える。でも、僕の素早い反応は妻にとっては有無を言わせぬ強制に聞こえている事だろう。本当は、一緒に悩んで少しずつ正解だと思える方向に向かえれば妻も納得できて後悔のない行動に出られるはずだ。
いつもそういう姿勢で接したいと思っても、つい出てしまう『こころの癖』。治らないからいいやじゃない。やっぱり直したい。一番大切な相手なのだから。
一緒に考え、一緒に悩む。決して急がす、そっと寄り添いながら話し合いの柔らかいクッションにならなければ。
そういう相手でありたいと思う。