NHKで放送中の『しあわせは食べて寝て待て』では、桜井ユキさん演じる主人公が膠原病を患いながらも穏やかに生きようとする様子が描かれる。

 序盤の回で、主人公は呟く。「何のために生きているんだろう」と。調子が悪くなると、微熱、身体のだるさ、筋肉や関節の痛みが彼女を襲う。その辛さに耐えている時に諦める様に体を起こし、ため息を吐きながら漏らした言葉だ。

 そんな彼女がゆっくりと少しずつ歩んでゆく姿を見ていると穏やかな気持ちに包まれる。同時に、みんなが付いているからいい方向に行くといいねと陰から声を掛けてあげたくなる。NHKオンデマンドで歴代最高の再生回数を更新し続けている。


 幸せって何だろう。心の中には常に満足できない事柄が存在し、一体全体不満が消えることはあるのだろうかと不安に襲われる。仕事であれ、家族との関わりであれ、夢への道のりであれ不安は尽きない。

 美味しいものを食べてお酒を飲んでストレスを発散させたり、旅行に出掛けて普段の生活から切り離された世界を漂うことで心が落ち着いてゆく人もいるだろう。また、定期的にスポーツをする事によって生活にメリハリが出ると言う人もいるだろう。

 うまくいかない事に悩む謂わゆるストレスは、生きていく中で誰もが必ず持ち合わせていると言って良い。また、ストレスがあるからこそ前を向こうとする推進力が生まれるとも言われる。そこに、どれだけ前向きのベクトルを持った事柄を見つけることが出来るのかで、幸せと不幸せの間を行ったり来たりするのではないだろうか。


 『しあわせは食べて寝て待て』は、小さな夢や身近な触れ合いを大切に生きていきましょうと語りかけている。『しあわせの種の集め方』を示唆してくれている。


 ゆっくりと、ちまちまとした『しあわせの種』を一緒に集めてみませんか。


注)ドラマのタイトルに合わせて全て『しあわせ』と書きたかったが、ひらがなが連なると読みづらくなるので『幸せ』と『しあわせ』が混在するに至った事をご理解頂きたい。